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中学生でも分かる!微分法とは何か

微分法

統計学をある程度学び進めていくと、"微積分"という世界が広がっていました。

統計学に限らず、物理学、経済学、生物学などあらゆる分野において、その学問を突き詰めていこうとすると、"微積分"という知識が必要になる場面が訪れてきます。

"微積分"というものが現代社会に大きく寄与していることは何となく理解していても、その中身がどんなものはすっかり忘れてしまっている方は、私含め多くいるのではないでしょうか。

私自身、ここまで統計学を学んできた中で、「もう一歩踏み込んだ理解や応用力を手にするためには、微積分から逃げることができないな」と感じるようになり、高校時代に使っていた教科書や参考書、ノートなどを引っ張り出し、学びなおしてみることにしました。

そこで本日は、学びなおしをする中で感じた私なりの「微分法とは何なのか」という答を、『中学生でも読めば分かる!』を目標に、図解などを用いて、解説していこうと思います。

 

本日の目標

☑ 様々な分野に応用される微分法について、「微分法とは何か」解説する

 

とにかくイメージを大切にして微分法を学びなおしてみました。現実世界と結び付けることを強く意識することで、見えてきた微分法の正体をできるだけ難しい数式は使わずに解説していくことを目指してみたいと思います。

微分と聞くだけで、嫌になってしまう文系脳のあなたにも理解してもらえるはずですので、ぜひ最後までお付き合いいただけたら嬉しいです。

それでは、一緒に「微分の世界」に旅立っていきましょう。

微分法につながる基礎概念「平均変化率」

微分法を学ぶためには「平均変化率」という考え方を理解する必要があります。

「おいおい、また難しそうな名前だな…」と、思われたかもしれませんが、実はこの平均変化率という考え方は、日常世界に溶け込んでおり、みなさん利用されている考え方なのです。

それでは、日常世界で利用されている平均変化率の一例を挙げてみたいと思います。

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こんな道路標識を目にしたことはありませんか。私が住む田舎町は、坂道だらけなためこの看板がそこかしこに存在します。

そうなんです。この道路標識は、「平均変化率」を用いて坂道があることを注意喚起しているのです。

この道路標識の中に書いてある『10%』という数値の意味を理解できるあなたは、すでに平均変化率を理解できていることになるのです。

それでは、この『10%』の数値の意味を図で紹介します。それが次の図になります。

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目の前にある坂道において、登りはじめの今いる地点から、登り終わるGOAL地点までを直線で結んでできる辺を斜辺に持つ直角三角形を考えます。それが、図中に黄色で書いてある三角形になります。

この直角三角形は、底辺の長さが100、高さが10の直角三角形であり、底辺に対する高さの割合が10%であることを、この道路標識は意味しています。

つまり、この道路標識がある坂道は、スタート地点からゴール地点までたどり着くまでに、横に100進む間に10だけ登らなければいけない状態にあるわけです。

このことは、知っていましたか。

「うん、知っていたよ!」という方は、平均変化率はもう完璧です。

道路標識の数式化

道路標識の意味が分かったならば、平均変化率について数式で表すことを考えてみることにしましょう。

第一歩として、目の前にある坂道の形がどのような形なのかを式で表すために、坂道の形を関数の世界である座標平面に埋め込んでいきます。

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こうすることいで、坂道の形は  \begin{eqnarray} y=f(x) \end{eqnarray} という関数で表すことができるようになります。

次に、坂道を登り始めるスタート地点を  \begin{eqnarray} x=a \end{eqnarray}とし、坂道が終わるゴール地点を  \begin{eqnarray} x=b \end{eqnarray}とします。こうすることで、

  • スタート地点の高さを  \begin{eqnarray} y=f(a) \end{eqnarray}
  • ゴール地点の高さを  \begin{eqnarray} y=f(b) \end{eqnarray}

と、関数の式にそれぞれの位置情報( \begin{eqnarray} x \end{eqnarray} の値)から、スタート地点とゴール地点の高さを求めることができるようになります。この表現について、理解が難しい方は後程具体例で説明しますので、ご安心ください。

道路標識がある坂道の世界を、関数の舞台に当てはめたところで、道路標識の中にあった平均変化率『10%』の導き出し方を整理していきます。

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数式化するとどうしても表現が難しくなってしまうのですが、ここで大切なことは、平均変化率は直角三角形の底辺と高さの割合だということを忘れないことです。

次に具体的な問題を通して、上で数式化した平均変化率の求め方を確認していきたいと思います。

平均変化率の問題

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このままだと、何のことやら分かりにくいので、上で行ったイメージ作りに合うよう問題をかみ砕いて考えてみることにしましょう。

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平均変化率を求めるには、坂道の道路標識内にある『〇〇%』の部分を求めていくことになります。そのためには、イメージ図内の直角三角形の「底辺」と「高さ」を求めればよかったはずです。

「底辺」の長さは、問題文にスタート位置とゴール位置が与えられているため、すぐに求めることができます。

底辺=3-1=

となります。次に直角三角形の高さを求めるためには、スタート地点の高さとゴール地点の高さが必要になります。

これを知るためには、坂道の形である \begin{eqnarray} f(x)=x^2 \end{eqnarray} を利用し、式中の \begin{eqnarray} x \end{eqnarray}の部分にスタート位置( \begin{eqnarray} x=1 \end{eqnarray})の値と、ゴール位置( \begin{eqnarray} x=3 \end{eqnarray})の値をそれぞれ代入することで求まります。

高さ \begin{eqnarray} 3^2 - 1^2 = 9 - 1 = \end{eqnarray}8

ここで求めた直角三角形の底辺と高さを用いれば、問題で聞かれている平均変化率が求まります。

平均変化率 \begin{eqnarray} \frac{高さ}{底辺}=\frac{8}{2} = \end{eqnarray} 4

以上が、平均変化率の求め方です。ちなみに、答えの4を%に直すと『400%』になるため、むちゃくちゃ急激な坂道だということが分かります。

平均変化率の問題点 

ここまで考えてきた平均変化率という指標はご理解いただけたでしょうか。はっきり言って、平均変化率を理解できれば、微分法はもう理解したも同然です。

実は、ここまで考えてきた平均変化率にはある問題点が存在しています。そして、その問題点を解消するために考えだされた手法が微分法なのです。

平均変化率に潜む問題点、あなたは答えられるでしょうか。平均変化率に潜む問題点は、次の図を見ていただければご理解いただけると思います。

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平均変化率を求めるには、スタート地点の情報と、ゴール地点の情報しか使いませんでした。つまり、スタートとゴールの途中がどのようになっていたとしても、それは指標に反映されることがないのです。

これこそ"平均変化率"の大きな問題点です。

上の図のように、大きな落とし穴があるかもしれませんし、大きな岩があるかもしれません。それでも、何もない普通の坂道と同じ値が出てきてしまうのです。

そこで、この問題を解消するために登場する考え方こそ微分法につながっていくことになります。

 

平均変化率の問題を解決する「微分係数」

目の前にある坂道がどれほど登るのに大変なのかを数値化するために、スタート地点とゴール地点の情報を用いた指標が平均変化率でした。

しかし、この平均変化率は途中の情報が抜け落ちてしまう問題点がありました。

そこで途中の情報が抜け落ちないように、「微分係数」は坂道を一歩一歩、距離を取らずに坂道がどうなっているのかを調べていく指標になっています。

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スタートとゴールの距離が離れていると途中の情報が抜け落ち、誤差が生じてしまうのならば、スタートとゴールの位置を限りなく近づけていくことで、一歩一歩(厳密には自分が立っている位置)の状況を数値化していくことを考えていくわけです。 

限りなく0に近づけていく

このスタートとゴールの位置を限りなく0に近づけていくことを数学では極限という手法で行います。

極限とは  \begin{eqnarray} \lim_{h \to 0} \end{eqnarray}  という記号を用いて、上図のようにゴールスタートに近づけていくわけですが、使い方も含めて微分係数を求める問題を見ていくことにしましょう。

微分係数の問題例

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これまたこのままでは分かりにくいため、問題文をかみ砕いてイメージを持つようにしてみましょう。

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微分係数の問題には、平均変化率の問題と違いゴールの位置がが記載されていません。

そこで自分自身でゴールの位置を定めていく必要があります。

自分で定めなければいけないということで不安に思ってしまうかもしれませんが、ゴールの定め方は至って簡単なので安心してください。

ゴール位置は、自分がいるスタート位置から「h」だけ進んだ位置をゴールに設定します。ここで文字「h」が出てくることで難しさを感じてしまうのですが、イメージを大切にしていけば大丈夫です。

まず、ゴールを自分自身でスタート位置から「h」だけ進んだ位置に設定したことで、「平均変化率」を求めることができるようになります。いきなり、微分係数を求めるのではなく、さきほど学んだ平均変化率をまず考えていくわけですね。

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平均変化率の求め方は、(高さ)÷(底辺)でした。三角形の底辺の長さは「h」になり、三角形の高さは(ゴール位置の高さ)-(スタート位置の高さ)で求めることができ、それぞれ坂道の形の式に代入することで得られます。

この計算をすることで、スタート地点 x=1 における平均変化率が 2+h であることが分かりました。

さて、ここでこの平均変化率に潜む問題点を解消するために、ゴールの位置を限りなくスタート位置に近づけていくことで、一歩一歩(厳密には立っている位置)の状況を数値化していきます。

そのために必要なことは、極限 \begin{eqnarray} \lim_{h \to 0} \end{eqnarray}をとることでした。この極限の記号を付けることで、スタートからゴールまでの距離「h」はほぼ「0」と考えることができるようになり、それにより平均変化率の問題点を解消し、スタート地点の位置情報を数値化することができるのです。

それでは実際にやってみましょう。

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極限をとることで、「h」はほぼ0と考えることができるため、2だけが残りこれが微分係数の値になります。

この答えの意味は、スタート地点では「底辺100で高さ200の直角三角形の上に立っている」ことを意味していることになります。これにより、かなり急激な坂道の途中であることが分かります。

微分係数を一般化したものが「微分」

そして、微分法とは何かですが、微分係数が具体的なスタート位置(上の問題であれば \begin{eqnarray} x=1 \end{eqnarray})を扱うのに対し、微分法はスタート位置を一般化し、 \begin{eqnarray} x \end{eqnarray}のまま考えていく手法になります。

つまり、考え方は微分係数の考え方と一緒なため、微分係数を理解することが微分法とは何かを理解するきっかけになるはずです。

「微分法」の正体 

本日は「微分法とは何か」について、できる限り分かりやすい説明を目指してきましたがいかがだったでしょうか。

上の説明の流れをもう一度整理してみると、微分することによりより瞬間的な状況を数値化することができることが分かりました。微分は「微(かす)かに分ける」と書きます。限りなく小さく切り分けることで、瞬間的な状況を数値化することができる計算手法が微分というわけです。

物理学で使われる「速度」を微分することで「加速度」が求まる根拠も、ここで紹介した平均変化率から微分係数を求めるまでの流れが理解できれば、納得がいくはずです。

多くの分野に利用される微分法の根本的な考え方に触れることで、解析ソフトで導き出した結果を鵜呑みすることなく検証し、数値を利用できるようになれたら嬉しいですね。

今後も統計学の知識を分かりやすく説明することを目指していきますので、ぜひ読者登録&Twitterフォローしてみてください。

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