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RepoLog│レポログ

研究職サラリーマンが日々感じたことをレポートするブログです。

日本という国で、子供2人を育てる適正年収をレポート

子育てレポート 生活レポート

子供2人を育てる年収

【動機】なぜ子供2人家族の適正年収を調べるのか

このレポートを作成するきっかけは、以前書いた次の記事がかなりの反響を呼んだことにあります。

合わせて読みたい!

【リアルでガチなレポート】年収600万円サラリーマンが住宅ローン3000万円借り、子ども3人を育てる暮らし

この記事では、年収600万円で住宅ローン3200万円を抱え、子供3人を持つわが家の将来を分析しました。ここでの分析を通して見えてきた将来は、住宅ローン&子供の教育費を支出していくことが非常に困難であるという未来でした。

私自身こうしたシミュレーションを行ってみて見えてきた未来に愕然としたわけですが、この記事がこれだけ反響を呼んだ要因はいただいたコメントを読むと、住宅ローンを借りて子供3人を育てるのには年収600万円程度では足りないという事実が感覚的な部分と乖離していたことにあると考えています。

逆に「当然こうなるでしょ」という意見も頂戴いたしましたが、そうした感覚を現時点で持っていない方にとっては、それなりに価値のある記事となったわけです。

そして、この記事を書き終えた私は、次の疑問が沸いてきました。

「一体いくら年収があれば、住宅ローンを完済し、子供を育て上げられるのか」

こうした動機から、次の条件をクリアできる適正な年収を導き出すことを目標にレポート記事を作成していきます。

  1. 年収の5倍程度の住宅ローンを完済する
  2. 子供2人を奨学金を借りることなく大学を卒業させる
  3. 必要とされる老後資金3000万円が貯蓄できる

子供の人数を2人とした理由は、私の周りに子供2人家族が多いということ、そして、2人目の子供を作るかどうか悩んでいる家族も多いということから設定しました。

 

【方法】住宅金融支援機構・資金計画シミュレーションを利用

ここでも、前回の記事同様 資金計画シミュレーション - 住宅金融支援機構 を利用することで、分析を行っていきます。

扱う数値は、わが家の子供が2人時の金額と様々な機関が行っている全国のアンケート結果などを駆使し、できるだけリアルな分析を目指していきたいと思います。平均値を取り扱うことで、どうしても机上の空論感が強くなってしまいますが、それ以上に「参考になった」と感じてもらえる分析を心掛けていきたいと思います。

【入力】30歳夫婦で年収550万円を想定

世帯主情報について

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ここでは30歳の会社員を世帯主として入力します。あまり複雑にならないように30歳直前で手に入れたマイホームの諸費用はすでに払い終えた状態を想定します。ここでの入力データは、私が30歳当時の状況を反映したものになります。

続いて、家族情報です。

家族情報について

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想定としては、同い年の配偶者と生まれたばかりの長男がいます。2年後に長女が生まれ、子供2人になるという設定です。

ここで、ひとつ注意点があります。

このレポートで算出する適正年収は、
  • 配偶者が子育て期間(子供が小学校にあがるまで)は専業主婦
  • 配偶者はその後月8万円(年収100万円)程度のパートに出る
という状況設定の下、分析していきます。

夫婦でフルタイム勤務ではなく、あくまでサポート的に配偶者には働いてもらう想定で、世帯主がいくら年収が必要なのかを算出していきます。ご了承下さい。

家計支出&児童手当情報について

まず住宅ローン2500万円を35年ローンで借入れ、マンションを購入したこととします。金利はフラット35を想定し、1.4%の35年全期間固定とします。続いて毎月の生活費について紹介します。

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 こちらの金額は、生活費についてはわが家のデータを参考にしています。一応、生活費の中に保険代も含むとします。

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その他の支出として、

  • 車購入代…100万円の軽自動車と150万円の家族用中古車
  • 家族旅行…年1回程度
  • 住宅関連費…火災保険・地震保険・家電買換え
  • 車維持費…車検代・税金・修理費

これらを計上していきます。こうした支出情報に児童手当情報を付け加えておきます。子供が2人ということで、2人分の児童手当が支給されます。これは大きな収入ですので、しっかりと計上しておきます。

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 最後に、子供2人分の教育費について入力します。

子供2人分の教育費について

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子供の教育費は、住宅ローンとともに家計を大きく圧迫する支出になります。今回の分析においては、幼稚園と大学が私立に通うという設定を考えていきます。

入力金額の根拠ですが、私立幼稚園については、わが家のデータを使用しています。小学校から高校までは前回の記事で使用した金額を利用しました。

問題は大学の教育費になります。今回の分析では、

  • 長男が私立理系大学へ進学すべく東京へ
  • 長女は私立文系大学へ進学すべく大阪へ

という設定をします。それぞれの金額の根拠ですが、文部科学省が発表している「平成25年度私立大学入学者に係る学生納付金」より学費総額を引用し、全国大学生協連調べの調査から首都圏と関西圏の家賃代+食費を引用したものを参考にしています。また、これに同じく全国大学生協連調べの調査から一人暮らしを始めるためにかかる諸費用平均を加え、4年間で均した金額を入力しました。

繰り返しになりますが、今回の分析では子供自身に奨学金を背負わせないことを条件に必要年収を算出していきます。

また、親が支払っている教育費+生活費の内訳としては、

  • 学費
  • アパート代
  • 食費

を想定しており、その他の交友費や携帯代などは子供がアルバイトをして稼いでいくとします。

以上が、ここでの状況設定となります。30歳で年収550万円あり、子供は2人とも高校までは家計にやさしい公立学校へ進学してくれています。住宅ローンも年収の4.5倍までとしており、かなり理想的な環境にあるように感じてしまいます。

果たして、将来シミュレーションでは、550万円が必要年収となるのでしょうか。

 

【分析その1】30歳で年収550万円のケース

子供2人の年収

シミュレーション結果は、年収550万円では子供2人を育て上げるには必要年収に達していないということになりました。

長男が大学に入学するまでは、何とかプラスで推移していた貯蓄額ですが、長女が大学進学すると同時に一気にマイナスへ振れています。その後2人ともが大学を卒業するとプラスに戻りますが、住宅ローンが払い終える65歳時の貯蓄は1200万円となっており、こちらも老後資金3000万円には遠く及ばない状況です。

以上の理由より、30歳時の年収550万円では子供2人を自力で育て上げることは困難で、子供に奨学金を背負ってもらう必要があるということが分かりました。

ちなみに、日本における30歳時の男性社員平均年収は440万円程度というデータがあります。

このシミュレーションを信じるとするならば、日本において出生率が年々減少し、少子化が加速することは至極当然であるといえます。一昔前のように、大学に進学することが一部の富裕層だった時代や国公立大学の学費が数千円だった団塊世代の時代と比較すると、学費による家計負担増は想像を絶するものがあるのかもしれません。

繰り返えし、強調させていただくと、日本という国においては平均年収では子供2人を育て上げることが困難で、子供の将来から借金するという奨学金制度を利用するほかないという現実が存在しているというわけです。

それでは、分析に戻ります。続いて紹介するシミュレーションこそが、まさに子供2人を育て上げる適正年収になります。

【分析その2】30歳で年収650万円のケース

子供2人を育てる年収

 なんと、子供2人を育て上げる3つの条件である

  1. 年収の5倍程度の住宅ローンを完済する
  2. 子供2人を奨学金を借りることなく大学を卒業させる
  3. 必要とされる老後資金3000万円が貯蓄できる

これらをクリアできる年収は、30歳時で650万円という年収が必要であるという結果が出てきました。この条件を得るために550万円入力情報と変更した点は、

  • 住宅ローン費用を3000万円に設定(金利は変更せず)

したことです。それ以外の入力数値は年収550万円と同じです。

【結論】日本で子供2人を育てる適正年収は30歳で650万円

みなさんはこのシミュレーションを見てどう感じましたか。

「全く根拠のない机上の空論」と感じられたでしょうか。私は「ちょっとショッキングな結果」だと感じてしましました。

というのも、30歳時年収が650万円に達しているサラリーマンは DODA調べによると、わずか10%にも満たないことが分かるからです。

30歳

今回の分析では、配偶者である妻にはパートとして働いてもらうという条件設定で計算しています。この条件が共働きになったり、専業主婦であったりすれば状況は変化します。また、特に注視したいこととしては

  • 年収上昇率は一般的と言われる1%が30年間継続
  • 退職金は1000万円
  • 年金額は現行の支給平均額

というかなり理想的な状況を想定したうえでの分析であるということです。これからの時代年収が1%継続して年々上昇する企業は稀でしょうし、年金が30年後どうなっているか考えると非現実的なシミュレーションにさえ感じられてしまいます。こうしたことを考えると、必要な年収は30歳時で700万円にも上るかもしれません。

 ここで私が行った分析が、脅かしや誇張に感じられるか、現実的と感じられるかは意見が分かれるところだと思います。ただ、今後日本において子供を産み育てていくは少子高齢化に伴い、どんどん過酷なものになっていくことを否定される方はいないのではないでしょうか。

「子は日本の宝」と本気で考え、少子化に歯止めをかけていくならば、子育て支援は日本の急務であります。このシミュレーションがあくまで机上の空論で、実際は想定以上に子育て費が安く済むことを願うばかりです。