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平成が終わる日本で、普通の暮らしに必要な年収はいくらなのか

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平成が終わろうとする現代の日本で、いわゆる「普通の暮らし」を実現するためには、どれほどの年収が必要なのでしょうか。

ここでは日本における普通の暮らしを次の5項目から読み解いていくことにします。

  1. 生活費
  2. 住居費
  3. 自動車費
  4. 教育費
  5. 老後資金

これら5つの項目から見えてくる平成を終えようとしている現代の日本における「普通の暮らし」とはどのような暮らしなのでしょうか。

そして、その普通の暮らしを実現するために求められる年収はどれほどなのでしょうか。

 

普通の暮らしとは、どのような暮らしなのか

「普通の暮らしとは、どのような暮らしですか?」と聞かれたあなたはどのように返答するでしょうか。

「普通」という言葉は、何とも曖昧で定義しにくい言葉ですから答えに困ってしまいますよね。

そこで、私たちの日常の行動に目を向けることで、まずは「普通」という概念について考えてみることにしましょう。

私たちが周囲の人と比べて「まぁ、ふつーかな。」と判断するとき、主に次の2つの指標をよく用いていることに気付きます。

  1. 多くの人が選択する ⇒ 最頻値
  2. 中間的な値 ⇒ 平均値

例えば、自分のテストの点数や稼いだ給料が普通くらいあるのかを平均点や平均年収から推察しますし、周りの人の多くが取っている行動を真似したり、多くの人が持っている物を欲しがったりしてしまいます。

そこで、ここでは「普通の暮らしとは、どのような暮らしですか?」という問いの答えとして「多くの人が選択した(最頻的な)暮らし、または中間的な(平均的な)暮らし」を統計的データを参考に見つけ出していくことにしたいと思います。

普通な暮らしに必要な生活費

暮らしを支える日々の生活費は、いくらが普通なのでしょうか。 

まず、暮らしの根幹をなす生活費ですが、総務省統計局が行っている最新の家計調査報告から把握できます。

同調査によると生活費の平均値は、およそ23万8,258円であることが分かります。

出費項目 金額
食費 72,866円
光熱費 21,535円
家具・家事品 10,560円
被服費 10,806円
医療費 12,873円
通信費 13,270円
教養娯楽費 27,958円
雑費 53,483円
合計 238,258円

出典統計局/家計調査(家計収支編)平成29年

注意点ですが、上記の生活費23万8,258円には「住居費」・「教育費」・「自動車関係費」・「贈与金」・「仕送り金」は含まれていません。また、「雑費」は美容費・お小遣い・交際費の合計金額です。

普通な暮らしに必要な住居費

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出典:住宅金融支援機構

平成が終わろうとする現代において、住宅取得状況は次のような状況であることが分かります。

種類
比率
平均建築費
土地付注文住宅 31.9% 4039万円
建売住宅 20.2% 3337万円
注文住宅 17.5% 3356万円
中古マンション 12.2% 2844万円
マンション 10.5% 4348万円

出典フラット35利用者調査:住宅金融支援機構

この中で普通な暮らしにおける住宅を考えるならば、最も多くの方が選択している(=最頻値)土地付注文住宅が適切だと考えられます。

実に、3人に1人が土地付注文住宅を選択し、4000万円を超える土地取得及び建築費用を支払っていることになります。

ちなみに、家賃7万円の家に30歳から85歳まで住むと総費用は4620万円になります。

 

普通な暮らしに必要な自動車費

続いて、自動車費を設定するにあたり、次の4つの情報が必要になります。

  1.  自動車の平均所有台数
  2.  自動車の平均購入価格
  3.  自動車の平均保有期間
  4.  自動車の平均維持費用

これらの項目に必要な費用について、確認していきます。

まず、自動車の平均所有台数は自動車検査登録情報協会の統計情報によると、1世帯当たりの平均保有台数は1.064台であり、自動車の保有率は80.6%と分かります。

また、日本自動車工業会の乗用車市場動向調査によると、

  • 新車から新車へ乗り換える…51%
  • 中古車を乗り続けている…23%

と、普通の方は新車を購入し続けていることが分かります。

また、同調査によると新車で乗用車を購入する際の平均購入価格は約298万円であり、平均保有期間は7.1年であることも確認できます。

さらに、自動車を持つということは、保険・ガソリン代・駐車場代・車検代・税金など様々な維持費が発生します。

こうした自動車の維持費については、生活費には含めていません。

そこで、ここで得られた普通の暮らしに必要な自動車関連情報をもとに自動車の維持費計算サイトで必要な自動車費用を算出しました。

購入車種 プリウス
新車購入費 277万円
任意保険 5000円/月
車検費用 12万円/2年
駐車場代 戸建てのため不要
維持費 62.2万円/年

参考自動車の維持費計算サイト

普通の暮らしに必要な教育費

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出典:数字で見る高等学校

続いて、普通の暮らしに必要な教育費について考えていきます。

子供の出生率は最新の人口動態統計(厚生労働省)によれば1.44となっており、普通の家では子供1人を生み育てていくことが平均的な状況と考えられます。

そして、その子供の進学パターンは文部科学省「数字で読み解く高等学校」などを参考にすると、以下の進学パターンが最も多いことが分かります。

教育段階
国公立
私立
幼・保育園 11.0% 87.6%
小学校 98.8% 1.2%
中学校 92.8% 7.2%
高等学校 68.1% 31.9%
大学 26.4% 73.6%

参考学統計要覧(平成30年版):文部科学省

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そこで、ここではこの進学パターンに伴う費用を普通の暮らしに必要な教育費として計上していくことにします。

教育費に関する調査では、「子供の学習費調査(文部科学省)」から保育園から高校までの学習費が確認できます。

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さらに、私立大学での教育費は、「私立大学学生納付金の調査(文部科学省)」で確認ができます。

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大学の教育費は学部や一人暮らしの有無によって全く異なります。ここでは極端な値ではない「その他の学部」(赤点線内)に必要な教育費を平均的水準と捉えることにします。

また、私立大学に通う学生の居住形態は次のようになっています。

居住形態 割合
自宅 64.7%
下宿・寮 35.3%

出典学生生活調査 - JASSO

そして、私立大学に通う学生の自宅生に掛かる学費以外の費用は同調査で、その平均値が確認でき、結果は次の通りでした。

区分 金額(年間)
通学費 100,100円
食費 102,200円
保険衛生費 36,500円
娯楽費 135,700円
その他 142,200円
合計 516,700円

なお、子供が大学に通う18歳以降の生活費はここで算出した金額を別途計上していくため、生活費に関しては上記で紹介した2人以上の世帯における生活費を2人世帯における生活費に減らした上でシミュレーションを行ないます。

普通の暮らしに必要な老後資金

最後に、老後を過ごすために必要な退職時の貯蓄額です。

厚生労働省によると、2017年の日本人男性の平均寿命は81.09歳、女性は87.26歳となっています。

日本が超長寿社会の道をひた走る中、政府は「人生100年時代構想」を打ち出しています。そこで問題となるのが老後を過ごすためのお金です。老後資金の目安はどのくらいなのでしょうか。 

ここでは、厚生労働省が定めたモデル世帯を参考に老後に必要な老後資金を算出してみることにします。

2018年における厚生労働省及び総務省統計局の発表では老後の年金額及び必要な生活費(支出)は以下の通りです。

項目 1か月 年間
老後の収入 22万1277円 265万5324円
老後の支出 29万84円 348万1008円

これをもとに、65歳から87歳までの22年間に必要な老後資金を計算すると、合計1816万5048円ほどの貯蓄が必要になることが分かります。

平成における普通の暮らし

以上、ここまで紹介してきた普通の暮らしに必要な支出金額をまとめます。

項目 状況
生活費 23万/月→ 48歳以降 21万/月
住宅費 4039万円(土地付注文住宅)
自動車費 62万円/年
教育費 小・中・高は公立 大学は私立
老後資金 1816万円

果たして、この暮らしを実現する年収はいくらなのでしょうか。

 

【結果発表】普通の暮らしに必要な年収

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結論から言うと、平成という時代が終わろうとする現在で、普通の暮らしを実現するための必要な年収は、

30歳時点で650万円

ということが分かりました。

利用サイト資金計画シミュレーション

必要な年収について補足すると、

  • 年収上昇はなし
  • 退職金はなし
  • 61歳から65歳までは年収300万円

でシミュレーションを行ったものが上のグラフになります。

この条件でシミュレーションを行った結果、65歳時点の貯蓄残高は約1000万円になっていますので、退職金が800万円以上出るようであれば晴れて5つの支出項目すべてをクリアし、普通の暮らしを実現することができます。

ちなみに、年収600万円ではこの暮らしは実現しませんでした。

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まとめますと、平成という時代が終わろうとする現代の日本で、最新の調査結果から読み解ける日本の普通の暮らしを実現するためには、世帯主が30歳の時点で夫婦の世帯年収が650万円以上であることが必要です。

普通の人はいくら稼いでいるのか?

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出典国民生活基礎調査|厚生労働省

厚生労働省が発表した平成29年度国民生活基礎調査の結果を見ると、子を持つ各世代の世帯年収【平均値】は上グラフのような状況であることが読み取れます。

30歳から60歳までの世帯年収を平均値で均すと約695万円となることから、平均的な世帯ではここで紹介した普通の暮らしを実現することが可能です。

一方で、世帯年収の【平均値】ではなく【中央値】レベルでは、この暮らしを実現することが難しいことが分かります。

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世帯年収の【中央値】を30歳から60歳まで均すと635万円となり、先ほどシミュレーションで試算した年収650万円には届かないことが分かります。

ちょっと贅沢な暮らしはかなり危険

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こちらのグラフは、年収650万円世帯が普通の暮らしにある自動車保有台数を1台から2台に変更した場合のシミュレーションになります。

2台目の車は「軽自動車」を想定し、年間の維持費をプラス40万円計上した結果、このような貯蓄残高となりました。

年間で40万円多く計上したことでこれほど大きくシミュレーション結果が変わるわけですから、普通の暮らしから少しでも贅沢するのであれば、必要な年収も大きく変わることが予想されるというわけです。

平成のうちにシミュレーションしておこう 

ここでは、平成が終わろうとする現代の日本の暮らしに必要な年収を最新の調査から読み解いてきました。

結果は30歳から60歳までの平均年収が650万円あれば、平成という時代における普通の暮らしを実現することが可能であることが分かりました。

一方で、「車を2台持つ」や「子供を私立に進学させる」などといったように少しでも生活レベルを変えるようとするだけで、その必要年収も大きく変わることも分かりました。

2019年新しい元号が始まりますが、私たちの暮らしにおける『普通』は大きく変化していくことが予想されます。

実現したい暮らしは人ぞれぞれ十人十色ではありますが、時代の変化に合わせ、自分自身の年収から実現できる暮らしをしっかりとシミュレーションし、必要な策を講じていくことはとても大切なことではないでしょうか。

わが家の家計シミュレーションを記事にしました。ぜひ参考にしてみてください。

 

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