以下では、元公務員の筆者が公務員時代もらっていた給料や、公務員の平均年収情報を元に公務員として働くことで実現できる生活レベルをご紹介します。
ここでいう公務員は、地方公務員・一般行政職を指し、国家公務員や同じ地方公務員でも教育職・警察職などは含まれません。
ここでは
- 公務員の給料・賞与(ボーナス)・年収はどれくらい?
- 公務員の生涯年収で実現できる暮らしとは?
という2つの疑問について、どこより詳しく徹底的に分析していきます。
少子化が進み、雇用や経済が不安定な現代にあって、人気の高い職業である公務員ですが、果たして、どれほど年収を得ることができ、そして、どの程度の暮らしが実現できるのでしょうか。
公務員の平均年収はコレだ
公務員の月額給与・諸手当・賞与(ボーナス)・退職金などはすべて公開されています。
ここでは公開されている情報を見やすくグラフ化してみたいと思います。
公務員の平均給料(月額)
各都道府県における公務員(一般行政職)の平均給料(月額)をグラフ化したものが以下になります。
ここでいう平均給料(月額)には、諸手当を含めた金額を提示してあります。
つまり、給料=給与+諸手当ということです。
諸手当とは、扶養手当・地域手当・通勤手当などなど様々な手当てが含まれており、公務員はこの諸手当が非常に充実しているということを公務員を辞めた今強く感じています。
色を付けてある都道府県は、特に支給額が多い・少ないという特徴がある都道府県になっています。
上記のグラフを平均給料の多いランキング順に作り替えたものも載せておきます。
そして、全都道府県における月額の平均給料は
月額:41万4985円(平均年齢43.1歳)
となっています。
公務員の賞与(ボーナス)
公務員の賞与(ボーナス)は、以前は年3回(春・夏・冬)と支給されていましたが、現在は多くの民間企業と同じ年2回(夏・冬)となっています。
賞与は期末手当+勤勉手当で構成されています。
各都道府県の賞与支給額(夏・冬の合計金額)は以下の通りです。
全都道府県における夏・冬のボーナスの平均支給額の合計は
年額:160万4089円
となっています。
公務員の平均年収
つまり、上記の給料とボーナスから分かる公務員の年収は
年収:658万3909円
ということになります。
これは全公務員の平均年齢である43歳ごろに到達する年収になります。
各年代の年収推移
そして、公務員の20代から定年を迎える60歳までの年収推移は以下のように推測されます。
こちらのデータは公表されていないため、私自身が公務員として働いていたときの情報や各データから推測される推定値となっていますので、当たらずとも遠からずな指標だと思って参考にしていただけたらと思います。
以上、ここまで公務員の年収についてまとめてきました。
続いて、2つ目の疑問である「公務員の年収で実現できる暮らし」について紹介していきます。
公務員の年収で実現できる暮らし
当サイト「RepoLog-レポログ」は、様々な暮らしに関するお金をテーマにしたサイトであり、これまで色々な暮らしシミュレーションを行っています。
そこで、「公務員の年収で実現する暮らし」について、まずは以下の記事でも紹介した「日本の平均的な暮らし」が実現できるのかについてシミュレーションを行ってみたいと思います。
公務員の年収で平均的な生活レベルは実現できるか
ちなみに、日本の平均的な暮らしとは
- 子供を1人産む
- 土地付き注文住宅を購入する
- 自動車を1台乗る
- 子供を私立大学まで卒業させる
という暮らしになります。
ここでは上の記事を参考に、公務員の年収で平均的な暮らしに必要な出費が可能かどうかをシミュレーションしてみました。
なお、平均的な暮らしに必要な費用は、以下の通りです。
公務員の平均年収658万円(30代550万円→40代680万円→50代810万円)を家族の収入として、30歳時点で貯金が200万円ある家計状況をもとに、平均的な暮らしができるのかシミュレーションしてみました。
その結果がこちらになります。
貯蓄残高のグラフを見れば一目瞭然ですが、公務員の平均年収といえども、上記の暮らしを実現するのはかなり難しいことが分かります。
つまり、平均的な暮らしを実現するためには、公務員の妻といえど働きに出てもらう必要があるわけです。
仮に、妻に年80万円の収入を得てもらった場合のシミュレーション結果が以下になります。
このように、世帯収入が公務員の年収に加え、妻のパート代80万円が加われば、平均的な暮らしが実現できそうです。
公務員家族が頭に入れておくこと
上記のシミュレーション結果から見えてきたことをまとめます。
✔ 公務員といえどシングルインカムでは、平均的な暮らしは送れない
✔ 年収80万円ほど増やすダブルインカムを目指す
✔ 注文住宅や自動車をあきらめるなど生活レベルの見直しが必要
今の時代、憧れの職業である公務員であったとしても、夫婦共働きのダブルインカムを目指すか、生活レベルを平均より抑えた暮らしを目指していくことが必要なようです。
公務員を辞めたから分かること
公務員という職業には、多くのメリットが存在します。
一方で、デメリットも当然のことながら存在するわけですが、このデメリットについてはあまり語られることがないように思います。
このシミュレーションから見えてきたことは、公務員という職業に就いたからといってあまり贅沢な生活レベルを目指すと、すぐに家計破綻してしまうということです。
一昔前では当たり前だった「子供を育て、自分の城を構え、自動車を乗る」という暮らしは、今や贅沢な暮らしになっています。
そのため、何かをあきらめるか、世帯の収入を増やすことは公務員であったとしても必要不可欠なミッションといえます。
こうした時代背景にあって、公務員という職業のデメリットは年収を増やすことができないということを強調しておきたいと思います。
副業はもちろん禁止されていますし、年功序列な賃金カーブは安定はもたらすものの、出世や仕事の成功による年収アップは非常に難しい職業といえます。
ここで紹介した年収推移をもとに、自分自身が実現したい暮らしを明確にし、次のステップをどう踏み出すのかについて考えるきっかけになっていただけたら幸いです。
以上、本日は「公務員の平均年収と実現できる暮らし」についてレポートしました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。