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ICT教育先進国実例や最新研究から見るタブレット学習のデメリット

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 タブレット学習を展開する教育現場で進む"オワコン"化

近年、盛んに教育の場へのIT活用が進められています。ICT教育という言葉を耳にするようになり、その言葉自体は定着しつつありますが、皆さんは「ICT教育とは何か」説明できるでしょうか。

 ICTは「Information and Communication Technology」の略語で、日本では「情報通信技術」と訳されています。教育現場では、タブレット端末と電子黒板を用いた授業が進められ、日本政府は2020年までに1人1台のタブレット端末を普及させようと躍起になっているそうです。

本日は、仕事の関係でタブレット学習を展開する大手会社の方と話をする機会があり、日本のICT教育化に疑問を感じたことがあったため、レポートしていこうと思います。そこには、タブレット学習を代表とするICT教育の様々なデメリットが見え隠れする現状が見て取れました。

ICT教育先進国である韓国では、様々な弊害が続出

日本より一足早くICT教育化を推進してきた韓国の現状を紹介します。韓国では日本より3年から5年ほど早くICT教育の充実を打ち出し、タブレット端末を用いた学習やデジタル教科書などを導入してきました。

結果どうなったのかというと、

  • 子どもの学力に目立った成果が表れていない
  • 資料を検索すると簡単に結果が出るため、問題解決能力が落ちる
  • 子どもの読書量が減る
  • 能動的に学ぶ姿勢が失われる


などの弊害が指摘され、デジタル教科書開発の縮小化などが韓国内では進んでいることが株式会社富士通総研「教育分野における先進的なICT活用方策に関する調査研究」からも確認することができます。

 

東京工業大学赤堀侃司教授が指し示す「タブレット学習が直面する課題」

赤堀教授の研究では、

知識を問う言語系の問題には、紙のテストに優位性があることが明らかになった。

と結果を述べるとともに、タブレット学習のデメリットとして基礎学力が身につきにくいことや知識がうろ覚えになることを指摘しています。これはつまり、幼少期~義務教育段階の勉強方法としてタブレット学習に重点を置きすぎてしまうと、基礎学力が軟弱な状態になってしまう可能性があるということにつながります。

タブレット学習には確かに物珍しさやゲーム感覚、視覚的な分かりやすさが兼ね備えられており、子どもウケも良いため導入をしていく家庭が爆発的に急増していったわけですが、しかし、その影で本当に身に付けてほしい学力が阻害されてしまっているのかもしれません。

素人考えではありますが、文字をたくさん書くことが大切な幼少期から義務教育段階の勉強方法として、書く量が圧倒的に少ないタブレット学習は、子どもの基礎力を脆弱にしてしまう危険性があるのかもしれません。2000年以降IT技術の革新とともに広がりを見せたICT教育では、ようやく近年になり、実践研究・効果検証が進み、こうした問題点に気付き始めたというわけです。

赤堀先生は、ほかにも

「飽き」への対応は、人が関わる以外で決定的な解決策は見つかっていない

とも述べています。

リクルートが展開する「スタディサプリが直面する課題」


赤堀先生の研究結果が指し示す結論が課題となり、学習効果が疑問視されるコンテンツが、リクルートの展開する「スタディサプリ」です。この動画学習サービスに参加している会員数は25万人にも上るらしいのですが、果たして、その中25万人にも上る会員の中で自主的に継続して続けてできている方が、どれほどいるでしょうか。

「学校や塾等何らかの強制力が働く空間で利用している以外の登録会員は、ほとんどこのコンテンツで学習効果を上げられていないのではないか」と、私は予想しています。

ICT教育の終着点「アクティブラーニングが直面する課題」

また、ICT教育の延長線上にあるアクティブラーニングという手法にも大きな疑問を感じてしまいます。

大学現場では今アクティブラーニングという教育手法が大きくクローズアップされています。アクティブラーニングとは「能動的学習」、つまり教授から知識を一方的に与えられるのではなく、共同的な学びを通して議論を展開し、知識を身に着けていく学習形態を意味します。その中でITを活用していくわけですが、近年この教育手法を「我が大学は、アクティブラーニングに力を入れています。」などの謳い文句で学生確保につなげようとする大学が急増しています。

果たして、知識や語彙を身に付けることが苦手な学生が多くいると考えられる大学において、学生同士を議論させることにどれほどの意味があるのか疑問に思ってしまいます。

【結論】ICT教育は「ビッグデータの活用」以外に未来はない

ビッグデータ

最後はかなりタブレット学習から逸れてしまいましたが、以上が、ICT教育、特に「タブレット学習」が"オワコン"化していくだろうと考える私なりの根拠になります。

私はICT教育のメリットは、むしろビッグデータの活用にこそあるのではと考えています。対象学習者が、どこでケアレスミスをしやすいのかを明らかにしたり、次のステージに上るために必要な問題・課題を指示したりしてくれる、こうした傾向や課題を膨大な蓄積データから導き出してくれることにこそICTは発展していくべきだと感じています。

多くの教育手法や教材にあふれかえる現在において、親としてなにより一番大切なことは、人と人との関わりでしか「飽き」を克服できないと結論付けた東京工業大学赤堀先生の研究であると感じました。

繰り返しになってしまいますが、最小限の教育投資で最大限の教育効果を子供に与えるには、タブレット媒体であるか紙媒体であるかは問題ではなく、

「飽き」への対応は、人が関わる以外で決定的な解決策は見つかっていない


という言葉に込められたように、子供との関わりを持つことがどれだけ実践できるかがキーとなり、ここにこそ教育の本質が詰まっているような気がしてなりません。

 

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