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東進予備校に学ぶスタディサプリの効果的な使い方

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受験生の2人に1人が使っていると言われる授業動画配信サービス「スタディサプリ」について、分析してみたいと思います。

「神授業、1万本」というキャッチフレーズとともに、そのコンテンツ量から講師陣のレベル、なによりも超低料金設定を武器に教育産業へ参入してきたスタディサプリは、これまでの教育業界の常識を覆しながら、破竹の勢いで小学生から高校生へと浸透しています。

スタディサプリは神コンテンツ

スタディサプリが参入する以前にも、自宅学習が可能な授業動画を配信するサービスは各予備校や教育関連企業などで行われていましたが、金額は1教科の授業を見るのに2万円以上するような料金設定が取られており、そのコンテンツ量も非常に乏しい状態でした。

そうした自宅学習型授業動画配信サービスに一石を投じたスタディサプリですが、月額980円(税別)で国・数・理・英・社に加え、小論文対策や志望理由書の書き方講座までおよそ1万本もの動画を別料金を取られることなくすべて見ることができるのですから受験生でなくても利用してみたくなる料金設定になっています。

高校版のスタディサプリ動画には東京大学対策から有名私大対策まで用意されており、さらには各大学の過去問までダウンロードできてこの値段設定ですから、まさに価格破壊と言えます。

なぜこれほど私がスタディサプリに詳しいのかというと、今年受験生になる姪っ子の受験勉強を見てほしいとお願いされ、姪が使っていたスタディサプリを色々と拝見させてもらったからです。

私自身も英語の勉強がしたくて、CMでも登場している関先生の授業を見ましたが、非常に分かりやすい内容になっていました。

スタディサプリに登場してくる講師陣も元大手予備校でカリスマと呼ばれていたレベルの先生たちが登場しており、このレベルの授業をいつでもどこでもたった月額980円で受講できるとはまさに神コンテンツと呼べる内容になっています。

これだけ充実したサービスが超低価格で受けられることもあり、リクルート社調べによると、受験生の2人に1人が利用していると言われているスタディサプリですが、実は大きな課題に直面しているようなのです。

その課題とは、これだけ充実した内容のコンテンツでありながら、実は利用している学生で学力を向上させているのは"ごく一部"でしかないということなのです。 

これは教育業界の方から聞いた話なのですが、スタディサプリを利用している学生の多くが3か月もするとスタディサプリへのログインすらしなくなってしまうそうなのです。

ネット環境さえあれば、いつでもどこでもカリスマ講師の神授業が受けられ、モチベーションも学力もガンガン上がっていきそうなものなのですが、なぜ多くのスタディサプリ利用者は3か月以上この神コンテンツを使い続けることができないのでしょうか。

スタディサプリを利用しなくなる理由

私がスタディサプリを使って姪っ子への受験指導をする中で感じたスタディサプリのデメリットとも言えるポイントをいくつか紹介します。

問題点① 神が多すぎる

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神授業1万本ということで、その授業動画数の多さこそがスタディサプリのウィークポイントのひとつでもあります。

スタディサプリには付属の診断テストが付いており、このテストをやればどの動画から見れば良いのかの指針を示してくれるということですが、このテストは有料なのです。

さらに、テストはかなり分野ごとにかなり細分化されており、まじめに自分自身の学力チェックをし、見るべき動画の一覧を手にしようとするとテストを受けるだけで2週間は掛かると思われます。

さらに診断結果が返ってくるには1か月はかかるでしょうから、それを待っているうちにスタディサプリへのモチベーションは下がっていってしまうのです。

多くの学生は診断テストを受けずに自分で何となく動画をチョイスし、学習しようとしますが、1万本もある動画の中なら自分に適切な動画をチョイスできる学生がどれほどいるのでしょうか。

この動画チョイスが的確にできる学生はもともと学習能力が高く、かつ自分の学力向上に足りない部分を明確にしており、スタディサプリを利用する目的がはっきりしているケースだと思われます。こうした学生であれば、スタディサプリを使うことで学力をグングン向上させることができるのだと思います。

つまり、親や学校でやってみたらと言われてやるケースでは、神授業の多さこそが逆にネックになってしまうというわけです。

問題点② 時間が掛かる

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次に感じたことは、スタディサプリを本気でやろうとするとかなりの時間を有するということです。

スタディサプリの授業では、解説動画に出てくる問題やポイントを記載したテキストが無料でダウンロードできます。(有料でテキストを購入することもできる)これは大変ありがいシステムです。

ただ、いきなり動画を見始めたとしても学力は向上しません。そこで解説されている問題を自分自身で解いてみてから解説を聞くことが重要なのです。動画を眺めているだけで学力が上がるとしたら、英語のリスニング力向上にスタディサプリを使う場合くらいではないでしょうか。

問題を解いてから、解説を聞くとなるとひとつの講座を終わらせるのに、相当な時間数が必要になります。実際に、姪っ子とやってみると想像以上に時間が掛かりました。

学生の多くはスタディサプリだけやっていればいいという環境にはなく、学校の宿題などもこなさなければなりません。

問題集であれば自分のペースで解説を読み込むことができますが、動画解説の場合はそうはいきません。スタディサプリの良さは授業をしっかり聞くことにあるわけですから、時間を掛けて取り組むことに意味があるはずです。

スタディサプリを補助的な教材と捉えて導入を考えた場合、この時間の使い方に失敗し、結局使わなくなってしまうケースがあるはずです。

ステディサプリを導入するのであれば、メイン教材と捉え、かなりの時間を確保する覚悟で導入する必要があるはずです。この覚悟がないまま導入しても絶対にうまくはいきません。

問題点③ 質問できない

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そして、スタディサプリ最大のデメリットは動画を見て、理解できない部分を質問することができないことではないでしょうか。

動画をみればすべて解決できるわけではなく「あれ?ここよく分かんないぞ。」というポイントが必ず存在します。その分からないポイントを無視して先に進めば、必ずどこかで躓くことになります。

この問題にについてスタディサプリでは高校版に関して月額9,800円で質問可能な「合格特訓プラン」をスタートさせました。 当初このプランは存在していなかったのですが、あまりにもスタディサプリの利用者がコンテンツを使いきれない状態になっていることから導入されたと考えられます。

つまり、月額980円でスタディサプリを使いこなすことの難しさをこの合格特訓プラン設定が物語っているのではないでしょうか。

東進予備校の実態 

スタディサプリと同様に動画配信を利用した授業を行っているのが、東進予備校です。

スタディサプリと近いシステムをとっている東進予備校は、こうした問題点をどのように克服しているのでしょうか。

東進予備校では、スタディサプリが直面している課題に対し、授業選択管理・モチベーション管理・質問対応など授業以外の対応は担任制を敷き、対面対人対応することで問題点をクリアしています。

つまり、最後は人と人のつながりを大事にしているということです。

ちなみに、東進予備校の授業料*1

  • 入学金:3万円
  • 担任指導費:3万円
  • 模試代:2万5,000円
  • 授業料(1講座):7万円

となっており、仮に3教科を受講すると30万5,000円が年間必要になります。

授業動画は予備校内のブースでしか視聴できず、強制的に時間を確保して通塾させることで、やったりやらなかったりを防いでいます。 

東進予備校は動画授業のパイオニアでもあるため、その講義数・講師数はスタディサプリの比ではありません。非常に膨大な講義が用意されているわけですが、スタディサプリとは異なり、診断テストやヒアリングによって担任が受講生に適切な講義を提示してくれるのです。

ここまでの話を聞くと「だったら東進予備校に通った方がいいんじゃない?」と思われるかもしれませんが、スタディサプリの方が適している学生もいます。この点について紹介します。

東進予備校よりもスタディサプリが合っている学生

一見完璧に見える東進予備校のシステムですが、やり方次第ではスタディサプリでも同様(もしくはそれ以上)の効果が期待できます。

俯瞰的指導者がいる場合 

親でこの指導ができるかはケースバイケースですが、家庭教師などとスタディサプリを組み合わせて利用するのはありだと思います。

家庭教師であれば、その子がどれほどの力を持っているかやどこでつまずいているかは把握できます。

週1回の家庭教師ではなかなか成果に結びついていない場合などは、スタディサプリを家庭教師とともに進めてもらえれば、効果につながる可能性があります。

分からない部分も例え家庭教師の専門外だったとしても、多くの良心的な家庭教師は同僚や他学部の学生に聞いて質問に対応してくれるはずです。

つまり、東進予備校の担任にあたる指導を行える人物を確保できれば十分スタディサプリで学力を磨くことはできるはずです。

目的意識が明確な場合

また、学生自身に明確な目標がある場合も有効です。

  • 中学の有機化学を学びなおしたい
  • ○○大学の対策を行いたい

こうしたピンポイントな目的を持っている場合は、わざわざ高額な授業料を支払わずともスタディサプリで効果を上げることが期待できます。

まず「学びなおし」については東進予備校では限りなく難しい状況にあるかと思います。ピンポイントに特定の分野について、動画を気軽に見ることができるのはスタディサプリの大きなメリットです。

またスタディサプリの個別大学入試対策については、必見の価値ありです。

  • 旧帝大(北海道・東北・東京・名古屋・京都・大阪・九州)
  • 一橋大学
  • 早稲田大学
  • 慶応義塾大学
  • 南山大学

以上の大学については個別講座が設定*2されており、各大学の主要得点科目対策が受講できます。

ここに挙げられている大学を目指しているのであれば、その対策講義を学ぶために月980円という対価は非常に魅力的だと思います。

AO・推薦対策をする場合

昨今ニーズが高まっているAO・推薦対策講座が設置されているのもスタディサプリの良さになります。

  • 志望理由書作成のポイント
  • 面接対策
  • プレゼンテーションの技術
  • 小論文対策

など、こうした技術はなかなか学校で指導してくれる先生も少ないでしょうから、動画で学ぶ価値が高いと思われます。

情報量が少ない入試でもあるAO・公募推薦では、こうしたテクニックを知っているか知っていないかで合否に大きく影響があるため、こうした入試を考えている学生にはスタディサプリが効果を発揮してくれるでしょう。

スタディサプリを価値あるコンテンツに

スタディサプリが価値ある神コンテンツになり得るかどうかは、神授業に加え「+α」の部分にかかっていることがポイントになりそうです。 

ここでは「+α」には学生の目的意識やサポートする指導者の存在を挙げました。

ここで上げたポイントは私自身が姪っ子と一緒にスタディサプリに触れてみて感じたことですが、姪っ子は現時点で大いにスタディサプリに価値を感じているようです。

スタディサプリを導入されるのであれば、後悔しないためにも

  • 何を学びたいのか
  • 相談できる人物がいるのか

をお子さんと一緒に確認してから始めることをおすすめします。

他にも、ICT教育関連のタブレット学習に関する分析も行っています。こちらも参考にしてみてください。

スタディサプリの登録はこちら

  • 小学講座・中学講座

  • 高校講座・大学受験講座

以上で、本日のスタディサプリ分析レポートは終わりになります。最後までお読みいただき、ありがとうございました。