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なぜファイナンシャルプランナーはこれほど老後破綻を煽るのか

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ここ数年で「老後破綻」や「下級老人」といった老後の不安をイメージさせるワードに触れる機会が急激に増えました。

書店に行けば、一番目立つ場所にこうした老後に関する書籍が並んでいるところを見ると、こうした老後関連書籍の売れ行きは好調のようです。

実際に本を手に取ってペラペラと中身を捲ってみると、すでに高齢者と呼ばれる年齢に達している人向けの内容から、これから定年を迎えようとしている人や、少し若い夫婦を想定して書かれているだろう内容まで、実に様々な年代に向けて、老後不安を訴えています。

書籍に限らず、様々なメディアでも「老後の不安」を取り上げたコンテンツが目立っていましたが、iDeCo(個人型確定拠出年金)の発売以降、さらにこうした流れが加速していると感じるようになりました。

最近、こうした老後不安を訴える情報に触れるたびに、"もやもや"するものが込み上げてくるようになりました。

この"もやもや"はどこから来るのか考えてみると、こうした老後不安を訴える情報がどんどん過激になり、不安を過剰に煽っている感を覚えるからだということに気が付きました。

 

老後破綻に感じる違和感

老後への不安を訴える情報元を見てみると、そのほとんどがフィナンシャルプランナー(以下、FP)と呼ばれる資格を持った方が登場し、老後の生活をシミュレーションしています。

具体的に世帯年収○○万円の夫婦など、さも身近にいるような夫婦に焦点をあて、その夫婦の生活をもとに老後への家計未来予想図を預貯金のグラフなどを用いて紹介していくんです。

預貯金のグラフは、子供の大学進学や収入の減る定年付近以降で大きく下方に折れ曲がり、定年後には赤字に転落していき、そのグラフをこれでもかと強調して訴えかけてきます。

このグラフや散りばめられた不安を煽る情報たちを見ると、「このままじゃ、わが家も老後破綻するんじゃない!?」と、不安を駆られてしまうものです。

しかし、ここでふと疑問に思うことがあるのです。

シミュレーションで用いられている数値は適切なのか

このブログでもこの記事のように、よく家計シミュレーションを行い、記事を書いていますが、そこで用いる支出条件の設定には毎回苦労しています。

そんな経験から、FPが作成する老後破綻に向かう家計シミュレーションのやり方に興味が沸き、いくつかの書籍を実際に調べてみました。

老後の生活費金額に疑問

「働かなければ毎月赤字に…」や「老後は急激に収支が悪化する」などと、ゾッとするような言葉が並ぶこうしたシミュレーションに用いられている老後の生活費の出所元を見てみると、総務省「家計調査」の文字が。

統計局/家計調査結果

こちらの調査は統計局がまとめている情報であり、調査方法も明確なため、信頼性の高い情報であると考え、当ブログでもよく引用させていただいています。

しかし、老後のシミュレーションという観点でこちらの情報を引っ張ってくることは、いささか悪意を感じてしまいす。

実際、週刊ダイヤモンド「定年後の歩き方」では、総務省「家計調査」をもとに、高齢夫婦無職世帯の家計収支(1か月)を次のように紹介しています。

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総務省「家計調査」2016年

一般的なデータと前置きはしてあるものの

住宅ローンがない無職の高齢者夫婦世帯の家計収支

として、総務省のデータを用い、次のようなグラフを乗せ、老後家計では毎月赤字になること訴えています。

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しかし、この家計データは調べてみると、2人以上の無職世帯(年齢による制限はない)が対象の家計収支であることが分かります。つまり、「2人以上」ですから、3人、4人と家族がいる家庭の支出も含まれているわけです。

引用元では2人以上の世帯が対象とされていたため、こう書きましたが、この支出は「世帯主無職の高齢夫婦(2人)世帯」の家計支出でした。訂正します。

いずれにしても、高齢夫婦2人で1か月の食費が6万5,000円、交通・通信に2万5,000円…とは、はたして本当にこれほどの金額が高齢夫婦の生活費に必要なのでしょうか。

老後資金は1億円の背景

月々約5万5000円の赤字ということは、年間で約66万円もの赤字に膨らみます。

さらに、老後資金、65歳で3500万円|NIKKEI STYLEなどいくつかのメディアでは、老後人生の長さを

国立社会保障・人口問題研究所の予測では2050年時点で男性は93歳、女性は98歳なので、今回はこの中間に当たる95歳までを想定

などと、夫婦ともどもかなりの長寿を老後資金資産に設定しています。

さらに、収入についても「これはあくまで現時点の年金システムですから、50代半ばより若い夫婦は、今以上に老後の収入は減ることは確実です!」という具合に、年金収入が減ることもしっかりアピールしています。

よくもこれだけマイナスな情報を並び立てるよな、と私なんかは感じてしまいますが、書き方や話し方によっては「これはマズい!」と青くなってしまう人もいるはずです。

FPが老後破綻を煽る理由

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さて、ここでそこかしこに溢れている「老後破綻」の文字を見て、自分自身の老後が心配になってしまっているあなたに考えてほしいことがあります。

こうした「老後不安」をシミュレーションしているFPという資格を活かして仕事をしている人はどうやってお金を稼いでいるのでしょうか。

そうです。お金のスペシャリストと呼ばれるFP達は、

  • 保険の見直し
  • 住宅や教育ローンの借換え
  • iDeCoなどの加入斡旋
  • 退職金や余剰金の投資

など、人生設計の相談に乗ることで相談料をもらい、場合によってはこうした保険やローン、投資を扱う保険会社や銀行などからマージンをもらうことで、お金を得ているわけです。

悪くいってしまえば、老後の不安を訴え、「じゃあ、保険に加入しようかな。」「保険を見直そうかな」「iDeCoや投資でも始めようかな」と行動をしてもらうことが、裏にはあるのです。

もちろん、老後破綻しないよう人生設計することが悪いわけではありません。

ただ、老後不安をこれだけ様々なメディアが報じられている背景に何があるのかについて考えてみることは必要なのかもしれません。

こちらの記事では、わが家に必要な老後資金を実際に算出してみたのですが、その結果、わが家に必要な老後資金はおよそ100万円程度でした。

まとめ

「老後破綻」や「下級老人」という強烈なワードは脳裏に焼き付きやすく、聞いた人は必ず不安を覚えるはずです。

ここで大事なことは、強烈なワードを用いている人(メディア)が、なぜそこまで老後への不安を訴えているのかについて考えてみることではないでしょうか。

そして、さらに大切なことは、自分の置かれた現状をしっかり分析し、必要な箇所へお金を回していくことだと思います。

さて、あなたは老後の不安を解消するために、どのような行動を取りますか。

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