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RepoLog│レポログ

研究職サラリーマンが日々感じたことをレポートするブログです。

2015年数学甲子園(予選)過去問全20問の解説レポート

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2015年に行われた全国数学選手権大会(予選問題20問)の解説を丁寧に行います。この大会は別名「数学甲子園」と呼ばれ、全国の数学が得意な高校生が日頃の勉強の成果を競い合う大会になっています。
予選といっても、かなり難しい問題が含まれており、この20問を60分で解くのは至難の業ではないでしょうか。ちなみに私は90分くらい掛けて解きました。できるだけ詳しい解説を心掛けましたので、参考になれば幸いです。

問題1.

次の式を因数分解しなさい。
\ y^2-4-x^2-4x\

(Answer)
変数\ x,y\ が同じ次数のため、ここでは\ y\ に注目し、項べきの順に並べる。
(与式)=
\
y^2-(x^2+4x+4)\\
=y^2-(x+2)^2\\
=(y+x+2)(y-x-2)
\

問題2.

 \displaystyle x=\frac{1}{4+\sqrt5}\ ,\ \displaystyle x=\frac{1}{4-\sqrt5}のとき、\displaystyle \frac{y}{x}+\frac{x}{y}の値を求めなさい。

(Answer)
まず x+y\ ,\ xy の値を求めると、x+y=\frac{8}{11}\ ,\ xy= \frac{1}{11} と分かる。
続いて、求める式の分母を通分し、分子の式を基本対称式の形で構成する。
その後上で求めた x+y\ ,\ xy の値を代入すれば答えが出る。
(与式) =
 \displaystyle \frac{(x+y)^2-2xy}{xy}\\
= \displaystyle \frac{42}{11}

問題3.

連立方程式 3x+1<2x\leqq5+4x を解きなさい。

(Answer)
与式は、次の連立方程式として同値である。
\begin{eqnarray}
  \left\{
    \begin{array}{l}
      3x+1<2x \\
      2x\leqq 5+4x
    \end{array}
  \right.
\end{eqnarray}

これを解くと、上の式の答えがx<-1となり、下の式の答えがx\geqq -\frac{5}{2}となるので、これらの共通部分が答えとなる。
 \displaystyle -\frac{5}{2} \leqq x<-1

問題4.

10進法で表された2桁の整数 N を7進法で表したところ、各位の数字の並びが逆になりました。このような整数 N をすべて求めなさい。

(Answer)
10進法では27という数は、10が2個と1が7個と考え、27と表記するのに対して、
7進法では27という数は、7が3個と1が6個と考え、36と表記されます。
つまり、abと表された数は、10進法では10\times a+1\times bとなり、各位の数字の並びが逆になったbaと表される数を7進数で書き直すと、7\times b+1\times aとなります。そこで、これらが一致するa\ ,\ bの値を求めます。
10a+b=7b+a \\
\Leftrightarrow 9a=6b \\
\Leftrightarrow a:b=2:3
これを満たす数は、23\ ,\ 46の2つである。

問題5.

次の図で、四角形ABCDは円に内接しています。2直線ADBCの交点をEとするとき、xの値を求めなさい。
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(Answer)
\triangle{ABE}∽\triangle{CDE}を示す。
\angle Eは共通角
円に内接する四角形の外角から\angle EDC = \angle EBA
\triangle{ABE}∽\triangle{CDE}
これより、 ED:DC=EB:BAが成り立ち、
x:3=9:5
∴ x=\displaystyle \frac{27}{5}

問題6.

2次方程式 \ x^2-5x+7=0\ の2つの解を\alpha ,\betaとおくとき、\displaystyle \frac{1}{\alpha }+\frac{1}{\beta}の値を求めなさい。

(Answer)
まず解と係数の関係より次の2式が手に入る。
\alpha+\beta =5\\
\alpha \beta =7
ここで求める式を基本対称式へ変形し、この2式の値を代入する。
(与式) =
 \displaystyle \frac{\alpha +\beta }{\alpha \beta}\\
= \displaystyle \frac{5}{7}

問題7.

90^\circ <\theta < 180^\circで、\cos \theta =\displaystyle -\frac{\sqrt 7}{4}であるとき、\tan 2\thetaの値を求めなさい。

(Answer)
\tan 2\theta =\displaystyle \frac{2\tan \theta}{1-\tan^2 \theta}(2倍角の公式)への代入を目指し、\tan \thetaの値を求める。

1+\tan ^2\theta = \displaystyle \frac{1}{\cos^2 \theta}に、問題内で与えられた\cos \thetaの値を代入し、計算すると
 \displaystyle \tan^2 \theta=\frac{9}{7}と分かる。これを先の2倍角の式へ代入すると
90^\circ <\theta < 180^\circより、\tan 2\theta=3\sqrt 7

問題8.

次の等式を満たす実数xの値を求めなさい。
81^x =9\sqrt3

(Answer)
(与式)\Leftrightarrow (3^4)^x=3^\frac{5}{2}
4x=\displaystyle \frac{5}{2}
x=\displaystyle \frac{5}{8}

問題9.

x^2+4x+y^2-8y=0\ で表される円の半径を求めなさい。


(Answer)
(与式)\Leftrightarrow (x+2)^2+(y-4)^2=20
∴(半径)=\sqrt 20=2\sqrt5

問題10.

7個のデータx_1\ ,\ x_2\ , \ x_3\ ,\ x_4\ ,\ x_5\ , \ x_6\ ,\ x_7の平均値は14、分散は2です。これに新しいデータx_8 = 18が加わりました。この8個のデータの分散を求めなさい。

(Answer)
この問題を解くために使う公式は、
(分散)=(データの2乗の平均)-(データの平均の2乗)
です。
まず、7個のデータの平均が14( \overline{x}_{1~7}=14)より
x_1+…+x_7=98
x_1+…+x_7+x_8=98+18 \\
x_1+…+x_7+x_8=116
この両辺を8で割れば、データ8個の平均がでる。…①

続いて、先ほどの公式を7個のデータに用いると
2=\displaystyle \frac{x^2_1+…+x^2_7}{7}-14^2 \\
\Leftrightarrow x^2_1+…+x^2_7=1386
ここに8個目のデータを加えると、
x^2_1+…+x^2_7+x^2_8=1386+18^2=1710
この両辺を8で割れば、データ8個の2乗の平均がでる。…②

①と②を再び公式に代入すると
(分散)=
\displaystyle \frac{1710}{8}-(\frac{116}{8})^2\\
=\displaystyle \frac{7}{2}\\
=3.5

問題11.

次の図のように、\triangle{ABC}\angle Aの二等分線が辺BCと交わる点をD\triangle{ABC}の外接円と交わる点をEとします。点Eと点B\ ,\ Cをそれぞれ線分で結びます。AB=10\ ,\ BD=4\ ,\ AE=9であるとき、DEの長さを求めなさい。
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(Answer)
円周角は等しいので、\angle ABC = \angle AEC
また、条件より\angle BAD = \angle EACも成り立ち、これより\triangle{ABD}∽\triangle{AEC}
AB:AE=BD:EC\\
\Leftrightarrow 10:9=4:EC\\
\Leftrightarrow EC=\displaystyle \frac{18}{5}
また、\triangle{ABD}∽\triangle{CED}でもあるので、
BD:ED=AB:EC\\
\Leftrightarrow 4:DE=10:\frac{18}{5}\\
\Leftrightarrow DE=\displaystyle \frac{36}{25}

問題12.

AとBが続けて試合を行い、先に4勝したほうを優勝とします。どの試合も、AがBに勝つ確率は\frac{1}{3}で、引き分けはないものとします。このとき、6戦目でAの優勝が決まる確率を求めなさい。

(Answer)
5戦目終了時点で、Aが3勝2敗となる確率に6戦目勝つ確率を掛ければよいので、
\displaystyle {}_5 C _3\times (\frac{1}{3})^3\times (\frac{2}{3})^2\times \frac{1}{3}=\frac{40}{729}

問題13.

次の図のように、正方形ABCDの辺CDの中点をEとし、点BとEを線分で結びます。対角線BDを引き、\angle DBE = \thetaとするとき、\cos \thetaの値を求めなさい。
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(Answer)
1辺の長さを2として考えます。すると、三平方の定理を使えばBD=2\sqrt 2\ ,\ BE=\sqrt 5とわかる。これらを用いて\triangle{BDE}に余弦定理を使うと
\cos \theta =\displaystyle \frac{(2\sqrt 2)^2+(\sqrt 5)^2-1^2}{2\times 2\sqrt 2 \times \sqrt 5}=\displaystyle \frac{3\sqrt 10}{10}

問題14.

ある商店では、サンドウィッチを定価の1個240円で販売すると、1日に250個売れます。このサンでウィッチ1個の販売価格を値上げすると、1日に売れる数は、10円の値上げに対し5個の割合で減少することがわかっています。このとき、1日の売上金額を最大にするには、1個の販売価格をいくらにすればよいですか。また、そのときの売上金額を求めなさい。ただし、消費税は値段に含まれているので、考える必要はありません。

(Answer)
いま10\times t円の値上げを行ったとすると、
(サンドウィッチの価格)=240+10t
(1日の販売個数)=250-5t個より、
(1日の売上金額)=(240+10t)(250-5t)\\
=-50t^2-1200t+2500t+60000\\
=-50(t-13)^2+68450
以上より、(1個の販売価格)370円、(1日の売上金額)68450円

問題15.

水平な平面上に、平面と垂直に2つの壁を配置します。2つの壁をなす角が\theta となるようにし、平面上で、球を一方の壁と平衡になるように壁に向けて打ち出します。図1は、このときの球の運動を真上から見たようすを表しています。ただし、球の大きさは考えません。また、球は壁で跳ね返るときは必ず、図2のように、入射角と反射角が等しくなるものとし、それ以外のときは直進するものとします。\theta =30^\circのとき、球は壁で何回跳ね返りますか。

(Answer)
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上図より、跳ね返りの回数は5回

問題16.

次の図のように、1辺の長さが1の正四面体OABCの辺OAの中点をD、辺BCの中点をEとします。線分AEを\ 1:2\ に内分する点をPとし、直線OPと3点B、C、Dを通る平面との交点をQとします。このとき、線分OQの長さを求めなさい。
f:id:sekkachipapa:20160928113619p:plain

(Answer)
OからAE上に下ろした垂線の端点をHとすると、Hは\triangle{ABC}の重心となるため、AH:HE=2:1とわかる。
これより、\triangle{OPH} \equiv \triangle{OEH} と判明し、これに加え、OEが正三角形である\triangle{OBC}の高さであることより、
OP=OE= \frac{\sqrt 3}{2}
がいえる。ここで、次の図形を切り出す。
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この図形にメネラウスの定理を用いると、
\displaystyle \frac{OD}{DA} \times \frac{AE}{EP} \times \frac{PQ}{QO}=1\\
\Leftrightarrow \displaystyle \frac{1}{1} \times \frac{3}{2} \times \frac{PQ}{QO}=1 \\
\Leftrightarrow \displaystyle \frac{PQ}{QO} =\frac{2}{3}
OQ=\displaystyle \frac{3}{5}OP =\frac{3\sqrt 3}{10}

問題17.

ともに直線y=-2x-1に接する2つ曲線y=x^2y=x^2-4xがあります。このとき、、直線と2つの曲線で囲まれた部分の面積を求めなさい。

(Answer)
それぞれの曲線と直線の交点を連立方程式を立て、求めると、x=-1x=1において交点を持つことができる。また、求める面積は、下図でもわかるように、x=0において囲まれる曲線のグラフが切り替わることもわかる。
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これより、求める面積Sは次の式を計算すればよい。
S=\int^0_{-1} (x^2+2x+1)dx\ +\ \int^1_0 (x^2-2x+1)dx
これを解くと、
s=\displaystyle \frac{2}{3}

問題18.

数列\{ a_n \}の初項から第n項までの和がS_n =n^2+2n+1で表されるとき、この数列の第n項を求めなさい。

(Answer)
a_n =S_n -S_{n-1}\ (n\geqq 2)より、
a_n=n^2+2n+1-(n-1)^2-2(n-1)-1\\
=2n+1
ただし、a_1 =S_1 =4\ であることに注意したい

問題19.

7^{15}の桁数と最高位の数字をそれぞれ求めなさい、ただし、\log_{10}2=0.3010\log_{10}3=0.4771\log_{10}7=0.8451とします。

(Answer)
まず7^{15}桁数を考える。
この値の常用対数を取ると、
\log_{10}7^{15}=15\log_{10}7 =12.67…
となる。これにより、
10^{12}<7^{15}<10^{13}
であることがいえるため、桁数は13桁とわかる

続いて、最高位の値を考える。
\log_{10}7^{15}=12.67…
ということは、
7^{15}=10^{12.67…}
ということであり、最高位に関わる部分10^{0.67…}に注目すればよい。
ここで、
\log _{10}10^{0.67…}=0.67…\\
\log _{10}4=2_log _{10}2 =0.60… \\
\log _{10}5=\log _{10}\frac{10}{2} =\log _{10}10-\log _{10}2=0.69…
より、最高位は4であることがわかる

問題20.

aを定数とします。3次方程式x^3-3x^2-21x-a=0の異なる実数解の個数が2個となるような、aの値を求めなさい。

(Answer)
定数分離の考え方から
a=x^3-3x^2-21x
この右辺を関数f(x)=x^3-3x^2-21xと捉え、f(x)のグラフを描く。
3次関数のため、微分をし、その増減を見る必要がある。
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このグラフとy=a(x軸と平行な直線)との交点が2個になるのは、極大値と極小値を通るときであることがわかる。
よって、
f'(x)=3(x^2-2x-7)\\
=3\{x-(1-2\sqrt 2)\} \{x-(1+2\sqrt2)\}
より、(代入の式も工夫して)
a=-23\pm 32\sqrt 2

数学甲子園の過去問を挑戦した経緯と感想

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今回仕事の関係でLaTeXという理系学生がよく論文を書くためのソフトを使うわなければいけなくなりました。私自身理系大学に通っていたため、学生時代はLaTeXをよく使っていたのですが、働き始めて10年以上全く触れることがなくなってしまいました。

そこで、練習も兼ね「どうせならブログネタになるものが何かないかな」と考えていたところ、たまたま新聞で数学甲子園の記事を目にしたました。私は現在数学&物理を使う仕事をしていることもあり、自分自身の力を付けるきっかけにもなると考え、このような記事を作成しました。

問題に関しては、各種ダウンロード | 数学甲子園2016公式ホームページに掲載されているものを利用させていただきました。これから本選問題や2014年以前の問題も順次取り組んでみたいと考えています。数学が得意な方で、もし「もっとこういう解き方がおすすめだよ」ということがあれば是非コメントいただけると嬉しいです。

私が高校生の時代はこんな大会はありませんでしたが、こうした全国レベルの大会がある今の学生は切磋琢磨し、是非将来は数学に関わる仕事を目指してもらいたいものです。