RepoLog│レポログ

研究職サラリーマンが日々感じたことをレポートするブログです。

日本という国で、平均的な暮らしをするために必要な年収をレポート

TOP

様々な統計データから見える日本という国の平均的な暮らしを実現するためには、果たしていくら年収が必要なのでしょうか。

以前ほぼ同じテーマで記事を書いたことがありますが、こちらの記事では「平均的な世帯年収では平均的な暮らしは実現できない。」という結論で終わってしまっています。

そこで本日は、このレポートから波及した「だったら平均的な暮らしを実現するのには、一体いくら年収があればいいのか」ということに答えを出していきたいと思います。

 

【目標】本日のレポートテーマ

 本日のレポートテーマ  日本という国で、平均的な暮らしを実現するためにはいくら年収が必要なのか。

ここでは、様々な統計データから垣間見える日本の平均的な支出動向をもとに、それらを実現するために必要な年収の算出を目指していきます。

 
前レポートより細かなデータ分析を目指します。

 

 

 

登場人物

ここで、当レポートで日本における平均的な暮らしを送ってもらう3人の家族を設定しておこうと思います。

 
は・はじめまして。平(たいら)家の世帯主"均太"です。

 
あなた、緊張しすぎですよ。均太の妻"並子"です。

 
バブ~!バブ。(息子の"中吉" だよ。)

 

 

筆者は、こうした人物設定をするのが好きなのでお付き合いください。

ということで、本日の主役家族である"平(たいら)一家"には、日本の合計特殊出生率1.45人(2015年)というデータをもとに、現代の日本における平均的な世帯構成「夫婦+子供1人の核家族」としてシミュレーションに付き合ってもらいたいと思います。

このレポートでは、日本における平均的な暮らしを送る"平一家"に必要な世帯年収を探っていくにします。

【方法】平均的な暮らしに必要な支出項目

まずは、"平家"が平均的な暮らしを実現するために支出する項目と、その支出項目の平均金額を引用するデータ引用元を紹介していきます。

ここでは、平家に実現してもらう「日本の平均的な暮らし」として、次の4つの支出項目における平均値を達成する暮らしと定めていくこととします。

  1. 生活費
  2. 住宅費
  3. 車購入費
  4. 教育費

それでは、早速これら4項目についての平均金額を探っていきましょう。

日本における平均的な生活費

まず、平均的な暮らしの根幹をなす「生活費」ですが、総務省統計局が平成28年(2016年)家計調査報告を根拠に、生活費として以下の項目に掛かった金額の合計を用いていきます。

  • 食料
  • 光熱・水道
  • 家具・家事用品
  • 被服及び履物
  • 保健医療
  • 交通・通信
  • 教養娯楽
  • その他の消費

注意点ですが、ここでのシミュレーションでは、家計調査報告書内に記載されている消費支出から「住居費」・「教育費」・「自動車関係費」・「贈与金」・「仕送り金」を除いた金額を生活費として計上していくこととします。また、「その他の消費」には、諸雑費・こづかい(使途不明金含む)・交際費が含まれています。

そして、平均的な暮らしに必要な生活費をより正確に入力するために、平家の生活費を次の2段階に分けて入力していくことにします。

  1. 中吉が最終学歴を終了するまで:「夫婦と未婚の子世帯」の平均家計支出額
  2. その後:「夫婦のみの世帯」の平均家計支出額

このそれぞれの世帯状況における日本の平均家計支出額は、次の通りです。

f:id:sekkachipapa:20170302092557p:plain

 
子供を持つと、毎月2万円以上も生活費が多くかかるんだ。

 
あなたのお小遣いを減らすしかないですね。

 

 

日本における平均的な住居費

続く住居費ですが、住居費は借家なのか、持ち家なのか、相続するかなど選択する状況で発生する金額が大きく変わってきてしまいます。そのため、平均的な住居費の根拠には非常に頭を悩ませました。

ここでは、金融広報中央員会「家計の金融行動に関する世論調査(2人以上世帯調査)H27」で発表された2人以上世帯の持家率が全国平均で73.1%であることと、住宅購入を検討している割合が49.2%であることを根拠とし平家には住宅を購入をしてもらうこととします。

※これ以降、消費行動を選択する際、最頻(最も割合の高い)の消費行動=平均として平家のシミュレーションに適用していきます。

 
少々強引ですが、最頻=平均とします。

 

 

 

そして、住宅購入費としては住宅金融支援機構が発表しているフラット35利用者調査(2015年度)を根拠に算出していきます。

住宅購入費についても、購入する住居形態により平均額が異なってくるため頭を悩ませましたが、同調査によると住宅を購入する世帯のうち最も多い形態は、土地付き・注文住宅の購入(32%)であることが確認できたため、平家には土地付き・注文住宅を購入してもらうこととします。

そして、その取得金額の合計は、次の通りです。

平均的な住居費

 
3900万円…土地からだとやっぱり高いなぁ。

 
どっかの学園みたいに安く済まないかしら。

 

 

日本における平均的な自動車購入費

続いて、自動車購入費を設定するにあたり、次の3つの情報が必要になります。

  1.  自動車の平均所有台数
  2.  自動車の平均購入価格
  3.  自動車の平均保有期間

これらの数値について、見ていきたいと思います。

まず、自動車の平均所有台数は自動車検査登録情報協会の統計情報によると、

  • 1世帯当たりの平均保有台数…1.064台

ということが分かります。ちなみに自動車の保有率は80.6%です。

また、日本自動車工業会の乗用車市場動向調査(2015年)によると、自動車の購入状況は、新車から新車へ乗り換える割合が最も高く51%となっていることが分かります。ちなみに、中古車を乗り続けている方は23%です。これより、平家でも新車を乗り換えていく生活を送っていくこととします。

新車で乗用車を購入する際の平均金額は以下の通りです。

  • 新車の平均購入価格…298万円

また、自動車の平均保有期間も、同調査より次の通りであることが分かります。

  • 保有期間…7.1年

注意点ですが、自動車を持つということは、保険やガソリン代、税金などが発生しますが、自動車購入費以外の費用については、生活費に組み込まれています。

 
自動車は何とか1台で済ませたいな~。

 
あなたの自転車通勤決定ね!

 

 

日本における平均的な教育費

まず教育費として、ここで考えていく費用は

  • 認可保育園費用(6年間)
  • 公立小学校費用(6年間)
  • 公立中学校費用(3年間)
  • 公立高等学校費用(3年間)
  • 私立大学費用(4年間)

とします。

平家の長男・中吉には大学まで進学してもらいます。子供が大学進学することが平均的な暮らしである根拠は、文部科学省発表の「数字で見る高等学校等」に基づいています。

「数字で見る高等学校等」によると、高校卒業後に大学へ進学する子供の割合は約57%に達しており、そのうちの約7割が私立大学へ進学していることから中吉の進路を決定しました。

それぞれの教育費については、次のように定めました。

  • 保育料:年間29万円

後ほど算出される平家の世帯年収をもとに、保育料計算機より、0歳から6歳までの保育料を算出しました。

  • 小学校:年間32万円

こちらは文部科学省発表の「子供の学習費調査」から平均額を入力していきます。

  • 中学校:年間48万円

こちらも、中学校と同じ引用により平均額を入力していきます。

  • 高等学校:年間41万円

高校では就学支援金が発生しますが、この金額は就学支援金を考慮していない金額です。

  • 私立大学:年間206万円

こちらは文部科学省発表の「私立大学等の入学者に係る学生納付金調査結果」から私立大学理系の平均金額を入力していきます。

以上が、平家の長男・中吉にかかる教育費になります。

 
ばぶっっ!(僕、まだ0才なのに。)

 

 

 

【入力】以上の情報を入力

ここまで見てきた日本における平均的な暮らしを実現するために必要な世帯年収を算出していきます。

そこで、ここでは平家に求められる世帯年収を資金計画シミュレーション - 住宅金融支援機構を用いて探っていきたいと思います。

世帯主「均太」の情報入力

世帯主の情報

青色で隠した部分(年収情報)は、のちほど色々な金額を入力し、シミュレーションを行いますので、現時点では隠してあります。

家族「並子&中吉」の情報入力

家族の情報

こちらも妻・並子さんの年収情報はクローズしてあります。

平家の会社以外の収入

一時収入

  • 一番上…児童手当

金額は受け取る総額を15年間で平均した金額を使用しています。児童手当は中吉が生まれてから15年間支給されます。

  • 真ん中…高等学校就学支援金

金額は住んでいる自治体により多少の差はありますが、のちほど算出される年収層ではどこでもほぼ月1万円という金額になるため、年間12万円を中太が高校在籍時の3年間計上しています。

  • 一番下…住宅ローン控除

ざっくりとした計算で導き出した受給合計額150万円を10年間に分割して支給していくと考えました。

以上、ここまでが平家の収入情報になります。続いて、平家の消費情報を入力していきます。

平家の生活費

生活費

上でも述べたように、ここでは2段階での生活費を入力していきます。

中吉が大学在学時までは、夫婦+子供1人における平均生活費を。中吉が大学卒業後は、均太と並子の夫婦2人生活を想定し、夫婦のみの平均生活費を入力していきます。

平家の住宅費

住宅費

金利を変動金利にするか、固定金利にするか。金利は何%に設定するのかは難しいところです。

ここでは金利変動の予測が困難なため、35年固定1.73%という金利を採用しました。(金利引用:楽天銀行)

本来であれば、団体信用保険分の上乗せ金利もしくは生命保険加入が必須ですが、その他諸費用含め、ここではシミュレーションに含めていません。

平家の自動車購入費

自動車購入費

300万円ですと、プリウスを乗り換えるような想定でしょうか。節約するとなれば、まずはこの自動車費から抑えようと考えていくことになりそうです。

「中吉」の教育費

教育費

このシミュレーションサイトでは、「幼稚園」としてしか設定ができないため、0~6歳までの保育料を3年分に変換し、幼稚園教育費に計上しています。そのため、年間68万円という金額になっています。

小・中・高が公立で、ストレートで大学に合格し、大学は家から通うということで、中吉を「かなりの親孝行息子」と感じる方も少なくないのではないでしょうか。

以上で、すべての情報入力が完成です。

 
いよいよ、平家に必要な年収を探っていきます。

 

 

 

【結果】日本という国で、平均的な暮らしに必要な年収

平均世帯年収

上の棒グラフは、厚生労働省が発表している平成27年度国民生活基礎調査から引用した世帯主の年齢階級別平均所得金額になります。

このグラフを見ると、このシミュレーションで想定した平家が所属する30代の平均所得金額は558.9万円であることが分かります。

ただし、この558万円という金額は、30代全体の平均所得ですので、年収上昇率を1%と設定し、30歳時点での平均所得を計算すると、約510万円であることが分かります。

そこで、まずは日本における30歳時点の平均所得510万円を平家の世帯収入とし、シミュレーションしてみたいと思います。

世帯年収510万円のケース

f:id:sekkachipapa:20170303124344p:plain

平夫婦が53歳を迎えるころには赤字額が1500万円にも達する勢いですので、一目で家計が破たんしていることが確認できます。

 
平均的な収入では、平均的な暮らしは不可能だ…

 
あなた、副業でアルバイトでもしたら。

 

 

世帯年収560万円のケース

f:id:sekkachipapa:20170303124350p:plain

続いてのシミュレーション結果は、平家の世帯年収560万円とした場合になります。

先ほどのシミュレーションよりはだいぶ赤字幅が少なくなっているものの、やはり中吉が大学進学する時期に赤字家計に転落してしまっています。

つまり、30歳時点での世帯年収560万円でも、日本における平均的な暮らしは実現ができないと考えられるわけです。

 
な・並子さんも副業お願いします。

 
…あなたが土日も働けばいいのよ♡

 

 

世帯年収600万円のケース

f:id:sekkachipapa:20170303124355p:plain

世帯年収600万円の設定で、ようやく赤字状態から脱出することができました。

平均的な世帯年収を510万円と考えた場合、約90万円ほど副業収入を得られればこの状態を達成できるということですね。年間90万円ということは、月7万5000円ほど副業収入を得なければいけないため、「ちょっと投資で稼いでます」レベルではとても実現は難しい金額です。

 
平均的な暮らし、あきらめていいですか…

 
収入を増やせないとなると、どこを節約するかを考えなきゃね。

 

 

【考察】平均的な暮らしは、リッチな暮らし?

ここで考えてきた日本における平均的な暮らしは、本当に日本における平均的な暮らしなのでしょうか。

答えは、「No」です。

「No」である理由として、このレポートで行ったように平均的な暮らしを各項目で切り分け、それぞれの平均値を出しているところに大きなポイントが隠されています。

 
大きなポイント、それはそれぞれの調査母集団が異なっていることです。

 

 

 

そうです。調査の母集団が異なるということは、ある特異な集団における平均値を用いていることになります。

  • 生活費…国民を無作為抽出
  • 住宅費…土地付き住宅を購入した人から抽出
  • 自動車購入費…新車を購入した人から抽出

つまり、各項目ごとの平均的な消費を選択した生活は、 平均的な暮らしではなく上流階級の暮らしになるわけです。

当然といえば、当然なのかもしれませんが、平均的な世帯年収であるということは、何かの項目を平均以下に抑えていかなければ家計が破たんしてしまうということが分かって頂けたかと思います。

  • 日々の生活費を節約する。
  • 自動車は中古を購入する。
  • 子供に奨学金を借りてもらう。

など、支出を抑える努力や工夫、妥協をする暮らしこそ"真の"日本における平均的な暮らしと言えるわけです。

 
あなたは、どんな暮らしを目指していきますか。