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日本という国では、奨学金を借りると結婚できない!?

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日本人の生涯未婚率が近年どのように推移しているのかって、ご存知でしょうか。

国立の人口問題研究所が発表している最新の統計結果を見てみると、50歳まで一度も結婚をしたことがない人の割合を示す「生涯未婚率」は、次のように推移しているが示されています。

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生涯未婚率の推移

このグラフを見ると、男性の未婚率はすでに4人に1人の割合にまで差し迫っており、10年後には3人に1人が未婚で50歳を迎えている可能性を示唆しています。

そこで、本日はこうした結婚しない(できない)日本人が増えている実態について、様々な角度から原因を探ってみることにします。

 

日本人はなぜ結婚できないのだろうか

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婚活支援サイトを運営するパートナーエージェント(http://www.p-a.jp/)の調査*1を見ると、20代の独身男女270人に結婚したいかどうかについて聞いています。

その結果が、こちらになります

回答 割合
できるだけ早く結婚したい 14.7%
20代で結婚したい 32.2%
30代で結婚したい 7.0%
いつかは結婚したい 12.8%
合計 66.7%

このアンケート結果を見る限り、10人中7人近い若者たちは結婚に関して前向きに考えていることが分かります。

では、結婚願望がないわけではない日本の男女たちはなぜ結婚をすることをあきらめてしまうのでしょうか。

日本人が結婚をあきらめてしまう理由とは

同調査を読み進めていくと、

Q. あなたが現在、婚活をしていないのはどのような理由からですか。

という質問に対する回答から、結婚をしない背景を伺うことができました。 

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出典:「経済的な事情から」婚活をあきらめていた

こちらが結婚をしない理由TOP4ですが、特に目を引いたのが「経済的な事情から」結婚をしないという回答です。

結婚し、子どもを出産するとお金が掛かることから、結婚しない選択をする時代になっているというのが今の日本の現状ではないでしょうか。

一方、こうした結婚がしたくても経済的な事情が理由で結婚できないというならば、夫婦共働きで働けば何とかなるのではないかという気もしてきます。

「夫婦で働けば結婚できるのでは」という考えの落とし穴

例えば、一人の稼ぎが年収250万円だったとして、夫婦二人合わせれば世帯年収は500万円になります。

共働きをすることで、経済的な負担は一人で生きていくよりも和らぐことは間違いないように思われます。

しかし、この考え方は現在の日本における"ある闇の部分"を見落としている考え方になっているのかもしれません。

未婚率を押し上げる「奨学金返済」という日本の闇

「夫婦で共働きをすれば、経済的な困難を解消できるのではないか」という意見はもっともですが、そうした考えが覆えされる現実が日本にはあるということを紹介したいと思います。

奨学金を扱っている日本学生支援機構の調査によると、奨学金を借りる学生の割合は年々上昇を続け、高校を出て進学する学生の2人に1人が奨学金を借りるほど奨学金の利用率が上昇してきている実態を確認することができます。

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出典:日本学生支援機構について(平成29年3月)より

そして、同機構の発表によると、一人当たりの平均借入総額は『312.9万円』にも上るというのです。

こうした実態を考えると、夫婦2人とも大学時代に奨学金を借りていても何ら不思議ではない状況が生まれており、結婚することで、2人分の多額の奨学金を返済しなければいけない結婚生活がスタートしていくことになるのです。

果たして、この奨学金という借金(2人合わせて600万円以上)を夫婦2人で抱えていたとしても、「夫婦共働きなら、経済的事情をクリアできる」でしょうか。

このような疑問を、資金計画シミュレーション を用いて検証していくことにします。

夫婦で奨学金を借りた結婚生活

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出典:平成27年国民生活基礎調査より

上のグラフにあるように、日本における世帯所得の現状は

  • 平均値:541.9万円
  • 中央値:427万円

となっています。

夫婦の世帯年収

ここでは、より実態の状態を表しているといわれる中央値に近い年収430万円を夫婦の合計所得として考えていくこととします。

つまり、夫婦の収入として、

  • 夫:年収250万円
  • 妻:年収180万円
  • 世帯年収:430万円

とし、結婚後共働きをし、世帯年収430万円という稼ぎの中で、奨学金を返済していく暮らしについてシミュレーションしてみたいと思います。

夫婦の奨学金借入総額

上で述べたように、奨学金の借入総額の平均値は一人約313万円でしたので、夫婦2人で626万円の奨学金を借り入れたことを想定していきます。

ここでは奨学金貸与・返還シミュレーション - JASSOを用いて、返済状況をシミュレーションしていきたいと思います。

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返済シミュレーションを行うと、夫婦で626万円の奨学金を借りた場合、

  • 2万8964円/月

を20年間掛けて返済していくことが分かります。

夫婦のライフプラン

次の夫婦の暮らしぶりを具体的に想像しやすくするため、次のような夫婦の設定を行っておきます。

夫婦は同級生とし、22歳で大学卒業。

その後

  • 5年後の27歳で結婚
  • 30歳時に子ども1人を授かる

以上のようなライフプランを設定し、奨学金626万円を返済しながら共働き夫婦が達成できる生活水準を探っていくこととします。

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さらに、詳細な夫婦の家計事情として

  • 年収上昇率1%
  • 退職金1000万円
  • 貯蓄100万円

とし、奨学金返済に月々

  • 2万9,000円

を充てていくといくことにします。(奨学金返済が完了する42歳まで)

奨学金を借りた夫婦が実現できる暮らし

以前、こちらの記事で日本での平均的な暮らしを実現するために必要な年収をレポートしました。

結果、日本における平均的な暮らしを実現するためには年収600万円程度が必要であるということが分かりました。

ということは、ここで想定した年収430万円の奨学金返済夫婦は、当然ここから何かをあきらめなければいけません。

そこで、ここでは

  1. 生活費を削る
  2. 住宅費を削る
  3. 車をあきらめる
  4. 教育費を削る

といった出費の大きい項目をどの程度節約すればいいのかについて検討してみたいと思います。

4項目すべてを節約した暮らし

まず、4項目の支出を次のように節約した暮らしを考えていくこととします。

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各項目それぞれを日本の平均的な暮らしから現実的に可能な限り節約した暮らしを想定してみました。

この家計支出状態における奨学金夫婦の貯蓄残高のシミュレーション結果が、次の通りです。

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少し節約を頑張りましたというレベルでは、子どもが生まれる前から赤字になっています。

子供が生まれる前から赤字になっているということは、つまり生活費20万円がそもそも生活レベルに合っていないということになります。

それでは生活費をいくらに削減すれば、赤字家計から脱出できるのでしょうか。

次のシミュレーションは、生活費をさらに節約しながらシミュレーションを実行していきます。

生活費を月10万円に節約した暮らし

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生活費を月10万円に節約した暮らしのシミュレーションで、ようやく貯蓄がプラスマイナス0程度の暮らしになりました。

食費だけでも5万円程度はかかってしまうでしょうから、衣類や光熱費等にほとんどお金をかけることができない生活レベルです。

それでは、生活費は20万円のまま、住居費を節約することを考えてみたいと思います。

住居費0の暮らし

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住居費0にした貯蓄残高のグラフがこちらです。

仮に、住居費にお金をかけなかったとしても、赤字家計から脱出することはできないというシミュレーション結果になりました。

ここまでシミュレーションをしてみて分かるように、奨学金夫婦は、ちょっとやそっとの節約や削減をしたところで赤字家計から脱出することは難しいことが分かってきました。

では、家計が赤字にならない暮らしはどういった生活レベルなのでしょうか。

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こちらのシミュレーション結果は、何とか一度も貯蓄をマイナスにすることなく生活できる状況になっています。

果たして、この結果を得られた生活レベルとはどういった状況なのでしょうか。

奨学金を借りた年収中央値の生活レベル

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生活費と住居費を合わせて18万円。

地方においては、自動車は必須の場合もありますが、車を持とうものなら、さらに生活費を削減していく必要が生じます。

教育費は小・中・高と公立に通い、ほぼお金をかけないまま、高校卒業後は進学を断念してもらうしかありません。

これはかなり非現実的な生活レベルと言わざるをえません。

奨学金があると結婚できない

日本において未婚率が上昇という事実をもとに、奨学金というシステムに焦点を当て、結婚したくてもできない実態に切り込んでみました。

ここで行ったシミュレーションを見る限り、奨学金を借りる学生の上昇率と未婚率の上昇率には因果関係が少なからずあるのではないのかという気にさせられました。

ここでは一人300万円程度の奨学金という設定でシミュレーションを行いましたが、今や一人600万円以上の奨学金を借りた状態で社会に出る若者も少なくないようです。

こうした状況に置かれている日本の若い男女は、果たして「結婚」という選択をすることができるのでしょうか。

以上、日本という国で、奨学金を借りた男女は結婚できないことを証明してみました。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

前提条件等かなり甘い部分があったため、こちらの記事を別視点で書き直しました。

 

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