読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

RepoLog│レポログ

研究職サラリーマンが日々感じたことをレポートするブログです。

日本という国で、退職後に生き抜くための"老後資金"必要金額をレポート

生活レポート
老後資金

定年退職を迎えた後、老後資金がいくら必要なのかは興味が尽きない問題です。

2016年、老後の生活にスポットを当て「下流老人」や「老後破産」というお金に苦しめらる人生の終焉を迎えてしまう老人達の姿がクローズUPされてきました。

本来ならば、30数年の長きにわたる労働期間を終え、住宅ローンを支払い、子どもを育て上げ、ようやくホッと一息付くことができる定年後の生活が、今の日本では「下流」や「破産」といった貧困生活への入り口になろうとしているのです。

こうした事が声高に訴えられるようになった背景としては、少子高齢化や医療費負担の増加、核家族化の進行など様々な背景が複雑に絡み合っていることは間違いありませんが、2016年現在を現役労働世代として迎えている20代・30代の私たちは、果たしてどれほどの老後資金を貯蓄しておく必要があるのでしょうか。

 

老後資金の算出方法

そもそも老後資金の計算は、非常に難しいシミュレーションです。

  • 何歳まで生きることができるのか
  • 社会保障制度はどう変化していくのか
  • そもそも65歳まで働けるのか
  • 退職金はいくら支給されるのか
  • 医療・介護費はいくら必要になるのか

こうした予測が難しい要素が絡み合い、それぞれの支出額に与える影響が大きいからです。

ですが、だからといってネット上の情報を鵜呑みにするだけで突き進んでいくことには怖いのものを感じてしまいます。ネット上で扱われる金額は平均値が多く、そこにはわが家の実態と大きく乖離している部分があるからです。

そこで、ここでは老後資金のシミュレーションにおいて、比較的信頼性が高いと感じた

 

こちらの記事を元に、わが家の実態を踏まえた誤差を導き出し、できるだけわが家の実態にあった老後資金額を算出していくことを目標としていきたいと思います。

マネー研究所が提示する3500万円という老後資金から、わが家の実態がどれほどズレているのか、をこのレポートを通じ発信していくことは、意味のあることだと確信しています。

老後資金3500万円の根拠

老後資金の根拠


まずは、老後資金に3500万円が必要とする根拠を、マネー研究所の記事内から読み取り紹介していきます。

「寿命」の根拠

 30年後の想定すべき寿命 ✔ 男性の寿命…93歳
✔ 女性の寿命…98歳

 
マネー研究所が、想定すべきとした寿命の根拠についは、とても納得させられました。

多くの方が、平均寿命をもとに老後資金を算出している中、マネー研究所では

4人に1人が生きている年齢までを考えるべき

としています。

確かに、平均寿命というものは平均値であることはいうまでもなく、平均値がいかに信頼置けないものかはよく知られています。

さらに、平均値以上が発生する割合は、老後資金を考える上で除外できるほどの誤差範囲には収まらないでしょう。

そういった意味でも、4人に1人が生きている年齢を想定していくことは、平均値を扱うよりも根拠として説得力が増しています。

なお、ここで扱われている年齢は国立社会保障・人口問題研究所が算出している2050年における予想値を使用しています。

「生活費」の根拠

 30年後に必要な生活費 ✔ 平均的な生活を送る…月28万円
✔ ゆとりある生活を送る…月35万円

 
マネー研究所では、老後の必要生活費を30年間で

  • 平均的な生活の場合…1億680万円
  • ゆとりある生活の場合…1億2600万円

としています。この生活費については、わが家の実態とは多くかけ離れたデータであるため、のちほど修正していきます。

「その他の費用」の根拠

 30年後に生活費以外で発生する費用 ✔ 介護費
✔ リフォーム費
✔ 予備費
以上3点で、600万円を確保しておく

 
こちらについては、ファイナンシャルプランナーの紀平正幸氏が試算した数値を根拠としています。これらの費用についても、後ほどわが家の実態に合わせていこうと思います。

以上が老後に発生する支出金額と、その根拠になります。続いて、老後資金に関係する収入の根拠を記事内から読み解いていきます。

「年金」の根拠

 受け取れる年金額 ✔ 会社員と専業主婦…月19万8000円
✔ 夫婦とも会社員…月25万2000円

 
老後の収入として、一番大きな収入が年金になります。マネー研究所では、65歳から95歳までの30年間、現在の高齢者世帯が受け取っている金額の9割を根拠とし、算出されています。こちらについても、後ほど検証していきたいと思います。

以上が、記事内で示されている老後資金の根拠になります。これにより、記事題名である老後資金3500万円が導き出されるというわけです。一応、確認で計算してみます。

✔ 平均的な生活に必要な支出額(①)
「生活費」月28万円×12ヶ月×30年
「その他」600万円
✔ 老後の収入(②)
「年金」月19.8万円×12ヶ月×30年
✔ 老後に必要な資金
①-②=3552万円


確かに、老後資金は約3500万円ほど必要な計算になりました。

わが家の実態に合った老後資金を算出

さて、それではここからマネー研究所の試算した一般的な費用と、わが家での誤差をできるだけ埋めていこうと思います。

30年後の未来家計簿を作成

まず、平均的な生活費を送るために必要な金額は、28万円としていますが、本当なのでしょうか。

平均的な暮らしというものがいかに捉えどころのないものかについては、以前に次の記事で考えてみたことがあります。

そのため、この月28万円という金額をそのまま参考にしていくことは避け、わが家の今の暮らしから30年後の将来を予測していくこととします。

まず、現在のわが家の生活費は次のとおりです。

サラリーマン家計簿

こちらの家計簿は、ブログ「カタテマゴト」を運営されるボバさんお手製エクセル家計簿を使用し、2016年10月のわが家の家計簿をまとめたものになります。

現在の家計状態は、毎月チェックしていますが、だいたいこのような状態です。この金額を、まずは参考にしていきます。

さらに、ここから30年後にどれだけ各項目が変更するかは、総務省が2016年9月に発表した「統計からみた我が国の高齢者」を参考に算出していこうと思います。

まず、マネー研究所が老後資金3500万円を導き出す中でも、生活費の試算に利用している総務省発表の『統計からみた我が国の高齢者』の最新情報(2016年9月)をまとめてみたものが、次の表になります。

家計簿比較


この調査では、65歳未満の家計支出と高齢者(65歳以上)の世帯の家計支出状況が窺い知ることができます。

そのため、それぞれの項目における支出が、65歳になるとどのように変化するかを増減率として算出しておき、わが家の30年後の未来家計簿にも一部参考にしていくことにします。

とはいえ、こうしてそれぞれの項目の金額を改めて見てみると、平均的な生活に必要とされる生活費が月28万円としたマネー研究所の金額は、我が家にしてみると十分ゆとりある生活が可能であるといえます。

それでは、早速わが家の30年後の未来家計簿を紹介します。

未来家計簿


こちらが、現時点で予想されるわが家の30年後の生活費になります。簡単に各項目ごと説明を加えていきます。

住居費について

30年後は、住宅ローンの支払いが終わっている予定です。そうなると、住居費として必要になるのは、固定資産税+修繕費になります。

固定資産税を月々の家計簿支出に加えますと、ざっと月額8,000円程度になりますので、そちらの金額を記載しました。

修繕費については、マネー研究所では生活費とは別で計上しているため、ここでは統一すべく生活費からは除いてあります。

教育費について

30年後には、わが家の3人の息子たちも大学を卒業し、自立してくれているはずです。仮に大学院にいったとしても、30年後には修了しているため、教育費は0円としました。

保険料について

保険料には子供の学資保険が含まれています。そちらの支払いも当然終了しています。その分、夫婦の保険料を増額し、かつ自動車保険代を加えた月15,000円を計上してあります。

ガソリン代・仕事関連費

こちらについては、65歳時点では今の職場は退職しており、大幅に下がると見込まれます。車は住んでいる地域柄65歳以降も持つことになりそうです。30年で公共交通機関が劇的に技術開発される可能でもありますが、そういった話はここではなしにしたいと思います。

食費・生活費・光熱費・医療費・雑費について

これらの項目については、総務省発表の『統計からみた我が国の高齢者』の最新情報において、65歳になるとそれぞれの項目支出がどのように変化するかを表した増減率を参考に、その利率をわが家の項目支出に当てはめ、算出した金額になります。

老後の娯楽費

ここまでの生活費約15万5,000円に、娯楽費を加えたいと思います。

子供も育て上げ、仕事も努め上げた65歳時点では、まだまだ元気である年齢ですので、娯楽費が発生してもおかしくありません。夫婦での旅行や、趣味にかけるお金として、月に3万円ほど上乗せすることとします。

こうした娯楽費を上乗せしたわが家の30年後の未来家計簿は、月々18万5000円掛かるとしていくこととします。

生活費に含まれない介護医療費・住宅リフォーム費

介護費用・住宅リフォーム代については、本当にシミュレーションが難しいところです。特に、介護費については2015年に実質負担額が1割から2割に引き上げられたように今後30年で今の高齢者以上に実質負担割合は増大していくことが予想されます。

また、私が住んでいる積水ハウス住宅は、リフォーム費用が高額であることで知られています。

以上の理由より、マネー研究所が試算したこれらの負担額600万円から200万円を上乗せした800万円をわが家の介護医療費・住宅リフォーム費としていくこととします。

予想される老後支出の合計額

それでは、上記で算出した30年後のわが家の家計簿支出と介護医療・リフォーム費の合計額を計算してみます。

 30年後以降の老後支出合計 ✔ 生活費…月18.5万円×12カ月×30年
✔ その他…800万円
以上2点の合計額…7460万円


このような結果になりましたが、いかがでしょうか。

老後も今の生活レベルをある程度保ち、かつ娯楽費まで入れての金額が7460万円ですので、だいぶ一般的に言われている金額と差があることが分かります。

続いて、老後に発生する収入についてシミュレーションしていきます。

わが家の実態に合った老後収入を算出

当然、退職した後に仕事を行わないのであれば年金が唯一の収入になることは間違いありません。

わが家の年金収入

マネー研究所の提示した年金をもう一度確認しておきますと、

  • 65歳から95歳までの30年間支給
  • 会社員+専業主婦で19.8万円が支給

というものでした。繰り返しになりますが、マネー研究所では年金の支給額を、現在の支給額の9割という金額で算出しています。

この年金問題についても、専門家の間で意見が分かれるところになりますが、支給金額は、マネー研究所の金額を使わせていただくとして、年金受給開始の年齢は少しシビアに設定することとします。

主要先進国の年金の支給開始年齢は、米国が2027年までに67歳へ、ドイツが2029年までに同じく67歳へ、さらに英国が2046年までに68歳への引き上げを決めています。

日本はこれらの国々と比べて圧倒的に高齢化が進んでいますので、さらに受給開始年齢は引き上げられる可能性があります。

そこで、ここでのシミュレーションでは、30年後の年金支給開始年齢を70歳と設定させていただくこととします。

これにより、わが家が支給される年金を計算すると…

 30年後の年金収入 月19.8万円×12か月×25年=5940万円

 
以上の金額になると想定していきます。 70歳支給となれば、無給与状態が5年間は発生してしまうため、その期間何らかの仕事をする可能性は高いのですが、ここではその期間の収入については、考えないこととします。

さらに、これに加え、退職金が支払われることが期待できます。

わが家の退職金

退職金

退職金は、老後を支える大切な収入源になります。

こちらも今後会社が順調に経営し続け、私が雇い続けてもらうことが条件になりますので、大いに不安はある収入にはなります。

現在私が勤めている会社の退職金は、退職された方の話では約1800万円ということです。私がその先輩社員と同額の退職金を頂くことはないと思いますが、2割カットした1400万円程度は見込んでおくこととします。

 30年後の退職金収入 現状1800万円×0.8=1440万円

 
以上、年金収入+退職金収入を合算したわが家の老後収入をまとめておきます。

 30年後の老後収入合計 ✔ 年金…5940円
✔ 退職金…1440万円
以上2点の合計額…7380円

 
繰り返しになりますが、年金は70歳から受給開始され、受給金額は現状の9割を想定しています。また、退職金は、現在想定される金額の8割に抑えています。

わが家の老後資金は、いくら必要か

ここまでマネー研究所が用いた老後資金の算出方法を参考にしながら、わが家のケースに当てはめながら、わが家の老後資金を検討してきました。

まずは、支出から収入を差し引いた必要資金額を紹介します。

支出:7460万円-収入:7380万円
老後資金:80万円

 
驚きの結果になりました。

わが家が今の生活レベルで暮らしていくと仮定するならば、老後資金はたったの80万円でいいということなのです。それも、私的にはそれなりに厳しめの条件設定にした上での算出された金額で、この金額になったわけです。

老後資金で生じる金額差について

「老後資金にいくら必要か」ということを調べると、一般的には3000万円という金額がヒットします。ここで紹介したマネー研究所の試算は、3500万円です。

他にも高いものでは、5000万円~1億円などという金額を必要額としているサイトもありました。

こうした老後資金シミュレーション値にこれほど大きく影響を及ぼしている支出は、何といっても毎月発生する生活費です。

今回わが家の実態から30年後の生活費をシミュレーションしてみましたが、どう考えてもマネー研究所が用いている平均的な生活費28万円は、わが家には贅沢すぎる金額と言えます。また、ゆとりある生活を送るために必要な生活費の月35万円は、どれだけ贅沢な老後なのかと少々引いてしまう金額に感じました。

これこそまさに、「平均値の持つ怖さ」なのです。

老後資金シミュレーションで見えてきた大切なポイント

まず言えることは、見えない老後生活に不安を覚える前に、しっかりとした実態を掴むことが大切だということが分かりました。

確かに、介護費用や年金、退職金などはかなり予測が困難な支出や収入ですが、生活費については今の状況から未来を予測することは決して難しいことではありません。

老後資金の3500万円を確保を目指し、貯蓄を進めていくことは非常に大切なことですが、と同時に我々30代子育て世帯では、子供への教育、日々の食生活の質、子供との思い出作りなど大切な支出が発生します。

見えない不安に向けて、大切なことを切り詰め続けていくのではなく、また、巷に溢れている情報を鵜呑みにして右往左往するのでもなく、自らの家庭実態を見極め、必要な投資と必要な貯蓄を行っていくことが大切です。

このレポートで伝えたいことは、「だから老後資金の貯蓄はしなくてもいい」ということではありません。生活レベルを上げずに年を重ねていくことこそ、不測の事態が老後発生したとしても対応する余力を生みだすことにつながるということです。

あくまでもこのレポートは、あくまでもわが家の老後資金シミュレーションですが、その過程から、読者のみなさんに伝わるものがあれば幸いです。

 


関連して読んでほしい記事は、こちら