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実は激ムズ!偏差値の求め方と使い方

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「偏差値って何?」と聞かれたあなたはどのように答えますか?

「そう言われても…」と、すぐにはパッと適切な回答が思いつかない方も多いのではないでしょうか。

「平均点を取ると50になって、頭いい奴は60くらいかな~」なんて、何となくは説明できても、どうやって求めるのかやどんなメリットがあるのかまでキチンと答えられる方は少ないはずです。

そこで、本日は日本人であれば馴染み深い言葉でありながら、意外と説明することが難しい偏差値について、その求め方や性質、扱う上での注意点などをまとめてみたいと思います。

と、その前に…

偏差値とは何かを理解するためには、「標準偏差」という統計量が重要になります。標準偏差がよく分からないという方は、上のリンク先でまず標準偏差とは何かを掴んでいただきたいと思います。

準備が整ったところで、いよいよ偏差値の世界に足を踏み入れていきましょう。

 

偏差値の本質

偏差値という概念をざっくりと説明するならば、記事冒頭のような図解になります。

相撲の取り組み図で表現したように、「前回のテストと今回のテストではどれほど学力が伸びているのか」というように、異なる状況下で得たデータを同じ土俵で相対的に比較したいと考えることは、ごく自然な発想だと思います。

そのためには、異なる状況下で得られたデータ達が平等な条件で戦える(比較できる)ステージが必要になるわけです。そして、そのような夢のステージを目指し、統計学的手法を駆使することで偉人たちが作り上げた舞台こそ「偏差値」という指標になるわけです。

偏差値の求め方と意味

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偏差値の求め方はこのようになります。

この式の中に予備知識として知っておいてほしいといった標準偏差が入っています。

先ほど偏差値は異なる状況下で得られたデータを比較する指標であると説明しましたが、では、なぜこの式を使うことでその目的が達成できるのでしょうか。

ここでは公式に込められた意味について探っていくことにしましょう。

偏差値の式は、なぜこの形なのか

一般に、試験の成績のようなデータは、左右対称な釣り鐘型に分布(正規分布)することが知られています。

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対象軸(オレンジの線)の部分が一番盛り上がっており、そこから裾を広げていく形をしています。

テストの結果であれば、基本このような形になるわけですが、当然平均点の状況や裾の広がり具合はテストによって異なります。

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このように異なる2つの分布を標準的な分布に直して比較していくように偏差値の式は作られているのです。これを標準化と呼びます。

標準化していく過程を偏差値の算出式で確認してみましょう。

重要なことは、自分の得点から「平均点を引いている意味」とその値を「標準偏差で割っている意味」を押さえておくことです。

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この計算をすることで、任意に与えられた分布はすべて

  • 平均値:0
  • 標準偏差:1 

という標準的な分布に調整することができるというわけです。 

しかし、このままでは平均点が0という何ともやる気にならない指標になってしまうため、平均点が50になるように上の式に50を加えています。

さらに、標準偏差が1だと偏差値47~53(平均±3)の範囲にほぼ全員が入ってしまうことになるため、尺度を広げる目的で全体を10倍しています。

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こうして算出された偏差値には、次のような重要な性質が装備されます。

正規分布

この性質を見て分かるように、全国模試のようなある程度の人数が受験するテストであれば

  • 偏差値50 ➡ 受験生の真ん中
  • 偏差値60 ➡ 上位約15%
  • 偏差値70 ➡ 上位約2%

というように全受験生の中での自分の位置をはっきりと把握(これこそ「現状把握」)ができ、前回のテスト時点の自分の学力と比較することも可能になるわけです。

偏差値を用いる上での注意点

偏差値がなぜこれほど広く受験業界へ浸透したのかというと、上で述べた偏差値の性質が学力把握を容易にしたことにあります。

しかし、この偏差値の性質はどのような条件下であっても成り立つかというとそうではありません。

  • 受験者数が少ない
  • テスト結果が正規分布にならない

このような状況下での点数を偏差値化した場合、偏差値の性質にズレが生じてきます。

「受験者数が少ない=正規分布にならない」という意味を持つため、本質的な注意点は2つ目の正規分布にならないということになります。

この注意点については、以前書いたこちらの記事で確認してみてください。(私自身失敗しています)

ちなみに、センター試験では得点結果が正規分布になるよう統計学者が問題作成に携わっているそうです。

最後に…

いかがだったでしょうか。

「偏差値」という言葉を知っていても、その正しい使い方や意味まで理解して使いこなしている方はなかなかいないのではないでしょうか。

私自身も統計学を学び始めたばかりで、まだまだよく分からない部分も多くあります。一見分かりやすい指標なだけに受験業界に浸透していますが、実は激ムズな背景もあるわけですね。

また、偏差値というと、偏差値教育というイメージを持っている方に「こんな指標は必要ない !」と批判の対象となることもあります。

ただ、こうして偏差値とは何かを明らかにしていくと、偏差値は非常に便利な道具であることがよく分かります。大切なことは、偏差値の意味をきちんと理解して相応の使い方をしていくことではないでしょうか。

以上で、偏差値の世界についての解説は終わりになります。最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

 

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