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RepoLog│レポログ

研究職サラリーマンが日々感じたことをレポートするブログです。

シングルマザーに求められる年収偏差値を知っていますか?

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シングルマザーに必要な年収とその相対的な位置付けを考えてみます。

本レポートは、以前書いた2つのレポートをもとに書き上げていく内容になっています。そこでまずは、2つの関連記事を簡単に紹介します。

ひとつ目は"シングルマザーの実態をもとに、その未来をシミュレーション"したレポートです。

合わせて読みたい!

離婚しないも地獄!するも地獄!?シングルマザー"貧困の世界"

シングルマザーの置かれた現状や行政支援などをもとにシミュレーションを行いましたが、非常に苦しい生活の未来予想図が浮き彫りになりました。

そして、ふたつ目は"年収を偏差値化した世界"に関するレポートです。

合わせて読みたい!

年収を"偏差値化"した世界

年収を偏差値化することで、自分の置かれている収入状況の立ち位置を受験時代に慣れ親しんだ偏差値を用いることでイメージできればと考え、書き上げたレポートになっています。

ここでは、これら2つのレポートを組み合わせることで、シングルマザーに求められる年収と、その相対的な位置付けについて読み解いていきたいと考えています。

 

シングルマザーに必要な年収

 先ほど紹介したレポート(離婚しないも地獄!するも地獄!?シングルマザー"貧困の世界" )より、重要な情報を抜粋し、まとめてみます。

 シングルマザーの家庭情報 ☑ 母親が28才時に離婚
☑ 子供は2人
☑ 子供は高校卒業後専門学校へ
☑ 生活費は19万8000円※家賃込み
☑ 老後資金は考えない


以上のような家庭状況を設定し、国や市町村から受けられる手当をすべて考慮した上で、赤字に陥らない収入状態(自身の収入・貯蓄・元夫から養育費)を探ったのが、紹介しているレポートになります。

その結果、算出されたシングルマザーに求められる収入状態は、次の通りとなりました。

 必要な収入状態 ☑ 母親の年収:270万円
☑ 離婚時の貯蓄:100万円
☑ 元夫からの養育費:年間60万円

 
ここまでが、以前のレポート内容になります。

ただ、元夫からきちんと養育費が支払われている母子家庭はたった"2割"しかいないという事実や、貯蓄額が100万円未満である家庭が60%近くも存在しているといった実態があるのです。(前レポート記事をTwitterで拡散していただいた際も、母子家庭の方から「自分も養育費をもらっていないです」というお声をいただき、改めて養育費なし家庭の多さを感じることとなりました。)

そこで、貯蓄0の状態で、元夫からの養育費をあてにせず母親自身の収入のみで、その後の生活の目途が立つ年収を算出しました。

必要年収の条件を修正

ここからが、本レポートの内容になります。

単純に元夫からの養育費を年収に加算するだけであれば、年収330万円ほどあればシングルマザーとしてやっていけることになりますが、少し前回と条件を変えたもう少しリアリティのある年収を算出してみることとします。

前回のレポートと基本的な家族情報は変えずに、以下の点を変えていきます。

  • 自動車を1台保有
  • 高等学校時の補助

以上2点についてです。以下でこの2点について補足します。

自動車を保有する

まず、やはり「自動車は1台欲しい」という住宅周辺環境にお住いの方が圧倒的に多いのではないでしょうか。自動車を1台保有するということは、その維持費+買い替え費用が発生します。

仮に所有する車が軽自動車であったとしても、年間走行距離10,000kmの場合で年間維持費は30万円前後と言われています。これに買い替え費用として年間10万円程度は貯蓄が必要になります。

これらを合わせると、車1台(軽自動車)を保有するということは年間40万円程度の費用が発生してくるわけです。

この金額を必要年収に上乗せすることとします。

高校時の補助金について

公立高校の無償化は、就学支援金という形で全国一律の助成を受けられるのに対し、上のレポートで想定した私立高校も無償化するという助成金を受け取れる都道府県は、埼玉県・大阪府など一部の地域に限られます。(東京都も小池知事が導入予定)

そこで、ここでは全国一律の就学支援金しか受けられない(こちらのケースのほうが圧倒的に多い)と想定していくこととします。

全国一律の就学支援金は、年収によって支給額が変動します。

  • 年収250万円未満…29万7000円
  • 年収250万円以上350万円未満…23万7600円
  • 年収350万円以上590万円未満…17万8200円
  • 年収590万円以上910万円未満…11万8800円

上でのレポートでは、年間57万5000円と想定していた高校時の補助金は大幅に削減されることになります。

必要な年収(改訂版)

以上、上記の修正を行ったシングルマザーに必要な年収を算出していきます。

確認しますと、前回レポート時の設定から以下の3点を変更します。

  • 養育費:年60万円をプラス
  • 自動車費:年45万円をプラス
  • 高校時補助:年17万8200円へ

その上で、前回レポートでも使用したライフプランシミュレーション | スルガ銀行を用い、収入と収支のバランスが釣り合う年収を算出しました。

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若干、支出が収入を上回ってしまいましたが、色々と試してようやくバランスが取れている年収を求めることができました。

それでは、ここで入力した年収情報を紹介します。

 シングルマザーに必要な年収 
  1. 28歳時の年収:400万円
  2. 離婚時の貯蓄:100万円
  3. 60歳時退職金:1000万円
  4. 年収上昇率:1%

こちらが、上の収支バランスが取れた年収情報になります。これに加え、母子家庭を支える手当収入として

  • 児童手当
  • 児童扶養手当
  • 児童育成手当

以上を前回と同じ金額しっかりと入力しています。

支出情報については、前回レポート時と同じ金額にしていますので、自動車費用が増えた以外はかなり節約した生活を送っていることになるはずです。

養育費に頼らないとなると、女性で28歳時の年収400万円は"非常に高い印象"を受けます。今回入力した年収上昇率1%で年収が増えていくと、

  • 35歳時…年収523万円
  • 45歳時…年収641万円

にも達している計算になるわけです。

求められる年収偏差値

28歳時点で年収400万円が必要と聞くと、"非常に高い印象を受ける"と表現しましたが、この印象という感覚を数値化して理解したいと考え、別レポートの年収偏差値を用いてみることにしました。

前回の年収を"偏差値化"した世界 - RepoLog│レポログでは、1年以上勤務している男女における年収を偏差値化しましたが、ここでは男女を分け、かつ1年未満の勤務も含めた年収偏差値を算出していくこととします。

度数分布表

こちらの度数分布表は、平成27年度民間給与実態統計調査|統計情報|国税庁をもとに、筆者が作成したものです。当然所属人数は女性のみの数値になっています。

この度数分布表をまずは、ヒストグラムに表してみることにします。

ヒストグラム

これを見るだけでも、28歳時の年収400万円が"非常に高い印象"であることに間違いはなさそうと感じます。

続いて、年収の対数(Log)値を取り、対数正規分布にあてはめて分散と標準偏差を求めていきます。前レポート時に要望のあった対数変換後の分布図も示しておきます。

正規分布

対数を取ることで、かなり正規分布に近付いていることが確認できます。

最後に、対数正規分布を用いて、男女別の年収偏差値を算出しました。それが以下の表になります。

年収偏差値

これをもとに28歳時の年収400万円を偏差値に変換すると60.1という偏差値になることが分かります。

ちなみに、45歳時に必要となる年収641万円は偏差値に変換すると64.7にもなり、これは男性で考えた場合、年収1250万円に相当することになります。

年収偏差値という指標を用いることで、どれほど"非常に高い印象"を明確な感覚に落とし込めるかは人それぞれかもしれませんが、偏差値60を超えるということは平凡な値ではないことだけは分かるはずです。

まとめ

シングルマザー

以前書き上げた2つのレポートを組み合わせた形になる新レポートになりますが、いかがだったでしょうか。

筆者としては、シングルマザーに生活にスポットをあて、かつ年収偏差値の意義を打ち出すことを目指して挑戦したレポートになります。

沢山の方に読んでいただいた「日本という国で、子供2人を育てる適正年収をレポート」を書き上げていこう将来をシミュレーションするということが、いかに難しいか感じながらも様々なシミュレーションレポートを書いてきました。

こうしたシミュレーションレポートを「机上の空論」と切り捨ててしまうことは簡単ですが、私はこうした未来予想図を捉えることで、問題点が明確化されると信じています。

ここで取り上げた母子家庭の未来予想図も、現状の問題点を把握するきっかけに使っていただけたらと思っています。

また、「こんなシミュレーションをして欲しい」などのご要望も受け付けていますので、どうぞお気軽にコメントやメール、Twitter(@sekakchi_papa)までお願いします。