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年収1000万円 vs 貯金1000万円 価値があるのはどっち?

年収分布と貯金分布

最新の平成28年(2016年)国民生活基礎調査によると、日本に暮らす1世帯あたりの所得と貯蓄額(ここでいう所得の定義貯蓄の定義は「所得=年収=額面収入」「貯蓄=貯金=預貯金+株式等」)は次の通りです。

  • 平均所得:545万8000円
  • 平均貯蓄:1033万円

このように平均値だけを抜き出した分析には賛否両論が付いて回るわけですが、それでもこの平均値だけをみると、1000万円を貯金する方が、1000万円稼ぐより圧倒的に目指しやすいことが想像できます。

「年収」は1年間という瞬間的な値で、「貯蓄」はそこまでの継続的な値なのだから当然、と言ってしまえば身も蓋もありませんので、本日は、各世代(20代~50代)における年収と貯蓄の状況をそれぞれ年収1000万円と貯金1000万円という切り口から読み解いていくことにします。

 

年収1000万円と貯金1000万円の達成率

世代別で年収1000万円と貯金1000万円の達成状況を視覚化してみると、おもしろいことが分かります。

まずは、20代・30代・40代・50代・全世帯における所得分布と貯蓄分布をそれぞれ確認していくことにしましょう。

20代・年収と貯金の状況

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こちらが2016年の1年間、日本に住む20代(世帯主が29歳まで)の所得とその貯蓄額の分布グラフです。

このように、20代の

  • 年収1000万円達成率は、2.3%
  • 貯金1000万円達成率は、1.6%

となっています。

ちなみに、20代の

  • 平均年収は、343万円
  • 平均貯金額は、155万円

です。

20代では、年収1000万円達成者(世帯)が貯金1000万円達成者(世帯)を0.7p上回っていることが分かります。

では、もう少し詳しく20代の所得と貯蓄の状況を確認してみましょう。

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20代の世帯年収は、社会人になりたてということもあり、大きく左側に偏った分布となっています。

確かに、20代にして年収1000万円を超えて稼いでいる世帯は2%と少ないものの、年収650万円以上稼ぐ世帯となると、10%近くいることは驚きです。

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一方の貯蓄状況も、当然のことながら大きく左に偏った分布となっています。

また、20代では貯金が1000万円を超える世帯は、わずか1.6%しかいません。20代では働き始めて間もないことや結婚や出産など大型の出費が発生する世帯も多くいることが予想されます。

そのため、年収650万円以上の高所得世帯であったとしても、貯金に回すお金がなかなか取れない現状があるのではないでしょうか。

30代・年収と貯金の状況

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こちらが2016年の1年間、日本に住む30代(世帯主が30歳から39歳まで)の所得とその貯蓄額の分布グラフです。

このように、30代の

  • 年収1000万円達成率は、6.3%
  • 貯金1000万円達成率は、9.5%

となっています。

ちなみに、30代の

  • 平均年収は、562万円
  • 平均貯金は、404万円

です。

30代では年収1000万円達成者(世帯)が貯金1000万円達成者(世帯)を3.2pも上回り、20代とは違い貯金1000万円達成者が年収1000万円達成者の割合を逆転しました。

では、もう少し詳しく30代の所得と貯蓄の状況を確認してみましょう。

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30代になると所得の分布は、20代のそれとは大きく変化します。

20代では大きく左側に偏っていた分布は、正規分布のように概ね平均年収から裾野を広げた形になっています。

当ブログでは、たびたび平均年収をテーマに記事を書いているのですが、その都度「平均年収を取り上げるのは良くない」「中央値を見た方が良い」というご意見をいただきますが、30代の所得分布をみる限り、私含む30代世帯にとって、平均年収を普通の家と捉えることは決してピントがズレている話ではないように思います。

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30代の貯蓄状況をみると、面白いことが分かります。

30代では世帯年収が大幅に上昇し正規分布化しているのに対し、貯蓄の分布型は20代のそれと対して変化していないのです。

つまり、30代になることで年収は上昇するものの、保育費や教育費などがまだまだ重く乗りかかり、貯金に回すほどの余裕がないのがこの世代のジレンマとなっているように思います。

40代・年収と貯金の状況

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こちらが2016年の1年間、日本に住む40代(世帯主が40歳から49歳まで)の所得とその貯蓄額の分布グラフです。

このように、40代の

  • 年収1000万円達成率は、16.2%
  • 貯金1000万円達成率は、19.4%

となっています。

ちなみに、40代の

  • 平均年収は、671万円
  • 平均貯金は、652万円

です。

40代になると、急激に平均年収も平均貯金額も上昇しており、年収1000万円達成者(世帯)が貯金1000万円達成者(世帯)も劇的に増えていることが分かります。

それぞれの達成割合は、30代とまったく変わらず「3.2p」貯金1000万円達成割合が年収1000万円達成割合を上回りました。

では、もう少し詳しく40代の所得と貯蓄の状況を確認してみましょう。

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40代の所得分布を見ると、30代の分布同様、正規分布のような形となっています。

ここで、目を引くのは1000万円以上稼ぐ高所得世帯(黄色のグラフ)が急増している点です。

年収1000万円の達成割合でもその急増ぶりは読み取れますが、こうしてグラフにすると、特に年収1200万円以上1500万円未満の区分が大きく増えていることが分かり、こうしたことからも30代の正規分布状態とは違う状況を作り上げていることが読み取れます。

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40代になると、貯蓄分布にも20代・30代とは違うある変化が訪れます。

それは、貯蓄がない世帯の割合が他の区分の割合に比べ、突出して高くなっている点です。

この点を分析すると、20代・30代の貯蓄がない世帯であった世帯はそのままの状態で40代を迎え、さらに貯蓄があった世帯が子供の教育費等の捻出により、貯蓄がない状態におちいっている可能性があると思われます。

また、40代になると貯金1000万円以上の世帯も急増しており、40代世帯では貯金の2極化が進んでいる様子がうかがえます。

50代・年収と貯金の状況

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こちらが2016年の1年間、日本に住む50代(世帯主が50歳から59歳まで)の所得とその貯蓄額の分布グラフです。

このように、50代の

  • 年収1000万円達成率は、24.0%
  • 貯金1000万円達成率は、30.0%

となっています。

ちなみに、50代の

  • 平均年収は、744万円
  • 平均貯金は、1051万円

です。

50代になると、40代と比べ、年収上昇率は多少緩やかになっている一方で、貯金1000万円達成者および平均貯金額が急激に上昇します。

50代での大きな特徴として、年収1000万円達成者の割合と貯金1000万円達成者の割合に「6p」もの大きな開きが生じていることが挙げられます。

その理由を、50代の所得と貯蓄の状況から分析してみることにします。

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50代の所得分布は、30代のころの平均年収550万円程度を中心とした正規分布から大きく様変わりしてきます。

驚くほどに年収1000万円を超えて稼いでいる高所得世帯が増えています。もう正規分布とは全くことなる分布となってきました。

その理由を予測するならば、子供が高校を卒業し、大学や就職に行くことで夫婦共子育てがひと段落し、夫婦共々フルタイムで稼ぎ始めていることが50代の年収上昇につながっているのではないでしょうか。

では、50代の貯蓄状況はどうなっているのでしょうか。

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50代の貯蓄分布を見ると、40代の分布と非常によく似た形になっています。

それぞれの所属割合が上昇しており、40代に比べて右側にスライドしたことが読み取れます。

これは、世帯の所得が急増したことから貯蓄に回す余裕が出てきているのかもしれません。また、住宅ローンの完済により、住居費が抑えられたり、老後資金を貯めようと節制した生活を送るようになっていることも要因として考えられます。

50代では、ほぼ3世帯に1世帯が貯金1000万円以上を達成しているわけで、この貯金1000万円が、40代世帯のひとつの目標になっているのかもしれません。

全世帯・年収と貯金の状況

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最後に、全世帯における年収と貯金の状況を載せておきます。

全世帯だけのデータを見ると、大幅に貯金1000万円以上の達成率が年収1000万円以上の達成率を上回っていることが分かります。

これは60代以上の高齢世帯の状況を反映したことにより、所得は低いが、貯金は持っている世帯が一気に増えていることが要因と思われます。

まとめ

本日は、年収1000万円 vs 貯金1000万円の勝者(?)をそれぞれの各年代別に紹介しました。

結果、30代以降の世代では貯金1000万円を達成している割合が、年収1000万円を達成している割合を大きく突き放していく結果となりました。

タイトルにある「富裕層」とは、年収が多いことを指すのでしょうか。貯蓄が多いことを指すのでしょうか。答えはもちろん後者です。

もちろん、貯蓄1000万円=富裕層ではありませんが、少しでも心に余裕が持てるよう貯蓄額を増やしていくことは、これからの日本においてますます重要な意味を持つようになるはずです。

そして、世代別の状況を見る限り、30代から40代にかけて所得が増えた際にどれだけ貯蓄を増やせるかがカギになっているように思います。

30代・40代は、所得が増える一方で、子育てや住宅ローンなど人生において最も支出が増える時期といえます。しかし、そうした支出の過渡期にあっても、しっかりと着実に貯蓄を増やしていくことで貯金1000万円以上の道を切り開いていく世帯が多くいることが見て取れます。

心の富裕を持った50代以降を迎えるためにも、「30代・40代の所得が増えた時期に、それに合わせ、支出を増えすのではなく、貯蓄を増やす。」これこそが、年収1000万円 vs 貯金1000万円の戦いから見えてきた教訓なのかもしれません。

あなたは、年収1000万円を目指しますか?
それとも、貯金1000万円を目指しますか?

 

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